内容説明
趙治勲、原慎太郎、山田泰吉、小椋佳、多田雄幸、三浦和義…。それぞれの人生を共に生きて描く人物ノンフィクション。
目次
帰郷
シジフォスの四十日
帝
その木戸を
オケラのカーニバル
奇妙な航海
走る馬車に乗って
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
53
文体がよい。あの頃、私はひとつひとつ味わいながら、読んでいた。沢木耕太郎は本書のような素材が向いている。 2010/05/08
KEI
42
昨年10月に読んだ「246」にこの本を出版すること話が出ていたので読んでみた。趙治勲、石原慎太郎、日本初のレストランシアター「ミカド」を作り3年で敗れた山田泰吉、小椋佳、シングルハンドのヨットレースに参加した多田雄幸、そしてロス疑惑の三浦和義と共に時間を共有したルポルタージュ6編。著者は言う「運命という馬車の中に、束の間ではあっても一緒に乗り、走っているのではないか」石原慎太郎を「日々山に岩を運ぶ事を繰り返すシジフォスの様では無かったか」という文章に納得した。当時、石原は敗れ美濃部が都知事となった。2022/01/08
葉芹
10
なんて古びない文章に内容に。常に傍観者でいるくせに本音を吐かすまで侍る様子が窺える。新鮮さを失わないのは澤木さんの腕だ。ルポですよ、それも時の人の。素晴らしい♪2012/01/01
ステビア
6
短編集。どれも良かったけど、多田雄幸についての「オケラのカーニバル」と三浦和義についての「奇妙な航海」が特に好きかな。2011/10/10
Lisa Tada
4
沢木耕太郎、初読。読みやすく釣り込まれること多々あり。内容も、時代が少し古いが、ある年齢以上の人なら今でも十分に楽しんで読める。例えば、石原慎太郎の若い頃の、彼の姿と時代の雰囲気など。6人の人物のある意味人生のピークを、その時に、または振り返りながら、えぐるように、または上澄みを掬うように描かれる物語。文章も品があり、ちょっとした発見だった。描かれているのは囲碁の趙治勲、石原慎太郎、ナイトクラブ帝の山田泰吉、小椋佳、素人ヨットレーサー多田雄幸、ロス疑惑の三浦和義の6人。女にはわからない男の情感に満ちている2023/12/22