内容説明
われわれは豊かな自由に恵まれているけれど、わたしは少しも自由ではない―今日のこうした自由の状況を解明する視点をどこに求めればよいのか。現代の自由概念に「狭さ」を痛感する著者が、歴史のなかで展開されてきた多様な自由をその起源から見直したのが本書である。ホメロス、ヘロドトス、モンテスキュー、ホッブズの精緻な〈読み〉を通じ、近代的自由との比較を試みつつ古い自由のあり方を探求する独創的な自由の比較思想史。
目次
1 トロイアの酒あえ瓶
2 スパルタの亡命王
3 フランス人の名誉
4 リヴァイアサンのエンブレム