講談社学術文庫<br> ルネサンス

講談社学術文庫
ルネサンス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061590830
  • NDC分類 230.51
  • Cコード C0122

内容説明

本書では、これまで異口同音に語られてきた単調で理想化されすぎるルネサンス像を退け、もっと人間くさい歴史像を「現代」というフィルターを通して考察、その華やかな時代の光の部分のみならず陰の部分にも焦点をあてて、総合的にルネサンスを捉えた。最新の知見に基づく待望のルネサンス論。

目次

序 ルネサンス像の転換
1 ルネサンスの人と文化(ルネサンスとは;ローマとギリシア;都市と自然;生と死;宮廷と広場;万能と個人;造型と音声 ほか)
2 ルネサンスの宇宙(西欧の文明観;歴史の遠近法;商業の発展が生んだ至福の時代;ジェノヴァの商人;ペストと死 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

almond

2
これまで読んでこなかった分野の本なので読むのに苦労した。なんとなく名前だけ知っている出来事や人物、見たことのある絵が繋がっていって面白かった。 華やかな印象のルネサンスだが、その実態はどうであったか、この時代何が起こったのか、これまでの定説なども説明されて一般にも読みやすい。自分も豊かになろうと皆が競争して全体の生活が変化した。資本主義とグローバル化の始まりが見える。特に個人主義のジェノヴァとその反対のヴェネツィアの対比が面白かった。地域としては後者が残るが個人ではどうか。国の在り方をも考えさせられる。2022/02/07

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

2
ある概念を定義することは難しい。歴史学の概念は特にそうかもしれない。「ルネサンスとは何か」という命題に対して本書は二部構成―まず①ブルクハルト以来の「ルネサンス論」の歴史について軽く触れながら基本的なモチーフを提示、次に②ピーテル・ブリューゲルやハンス・バルドゥング、ギヨーム・デュファイの絵画や音楽に触れながらそのモチーフを説明する。方法論としては逆照射するような形で「ルネサンスとは地理的に恵まれた地中海文明という商業的な都市空間における文化現象」と定義する。その現象の理解と歴史的位置づけは別途勉強する。2016/10/14

misui

1
ルネサンス概観と後半は各論的なエッセイ。特にブリューゲルの《バベルの塔》にことよせて国際的な商業拠点であったアントウェルペンの繁栄と没落を、そしてのちにルーベンスへと続く道を示す章は面白かった。ルネサンスを終わらせたのが宗教改革と大航海時代の到来であって、そのどちらもがルネサンスに力を得ている点はしっかり認識しておこう。2020/03/04

funacor

1
ジャパンアズナンバーワンの時代を経て、我らは終わりの意識を持つことが出来ているか。否、と思う。ルネサンス、すなわち「西洋文明の絶頂をいきる」人と同様、終わりを意識することはほとんどなかった、と思う。だが、そろそろ西欧のキリスト教的文明観に学んでもよいのではないか。ルネサンスが同時に死の時代でともあったように、我々も同時に再生に向けて取り組まねば、それこそシュペングラーの予期したありそうもない未来を実現してしまうかもしれない。2011/06/03

Takumi

0
ルネサンス・大航海・宗教改革がそれぞれ関わりあって西洋の「近代化」が推し進められたってのがこれまで世界史観を転換させてくれた この人の筆も面白い2017/02/17

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