内容説明
ランボオ、ヴァレリー、ベルグソン、プルースト、サルトル。著者の炯眼は夙く、孤高に屹立するこれら偉大な単独者たちの言説をつらぬく一筋の潜流に着目し、その系譜を書き上げた―本書である。初め著者だけの孤独な確信に止まっていた潜流は、やがて、現代思想の最も豊かな源泉として地表に湧き出でた。著者の類稀まれな先見と創見は、こうして、最先端の諸問題とリアルタイムの直結を果たしたのである。
目次
ランボオ論(現代精神の先駆者;マラルメの静性―詩人の「部屋」について;ベルグソン哲学に於ける偶然性;『酔いどれ舟』;自由、逃走、宿命 ほか)
2 ヴァレリー編(ベルグソンとヴァレリー;『わがファウスト』を廻って)
3 プルースト論(『失われた時を求めて』論―知性と肉感性についての考察;プルーストとサルトル)
4 想像力の問題(サルトルの世界に於ける想像力;プルーストの世界に於ける想像力;エドガー・ポー論)
5 サルトルの世界に於ける美の観念
結章 精神史的展望―ルソー、ヴァレリー、サルトル