内容説明
大胆なレトリックと弁証法を駆使して、ヨーロッパの文芸復興期を生きたダンテ、レオナルドら22人の巨人の軌跡を追求した特異なルネッサンス論。衰亡した文化の復活の秘密を探る論理の展開は、執拗かつ独創的で、読む者の意表をつき、現実の変革のためには必死の抵抗以上外に道はないと説く著者の批判精神は、鋭くそして重い。ルネッサンスを語りながら、戦時下の日本の現実の姿を浮彫りにし、「転形期にいかに生きるか」を示唆した名著。
目次
女の論理―ダンテ
鏡のなかの言葉―レオナルド
政談―マキャヴェリ
アンギアリの戦―レオナルドとマキャヴェリ
天体図―コペルニクス
歌―ジョット・ゴッホ・ゴーガン
架空の世界―コロンブス
終末観―ポー
球面三角―ポー
群論―ガロア
極大・極小―スウイフト
肖像画―ルター
汝の欲するところをなせ―アンデルセン
ユートピアの誕生―モーア
素朴と純粋―カルヴィン
ブリダンの驢馬―スピノザ
「ドン・キホーテ」註釈―セルバンテス
晩年の思想―ソフォクレス
動物記―ルイ11世
楕円幻想―ヴィヨン
変形譚―ゲーテ
笑う男―アリストファネス
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