講談社学術文庫<br> 竹取物語 - 全訳注

講談社学術文庫
竹取物語 - 全訳注

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061582699
  • NDC分類 913.31
  • Cコード C0193

出版社内容情報

【内容紹介】
この書物を手に取る人は、「かぐや姫」の話に、幼時の追憶をなつかしく蘇らせるにちがいない。そして、この作品を読み終える時、あなたが青年であるならば、より心豊かに生きる知恵を学ぶだろうし、人生の経験を多く持つ人ならば、過ぎ来し方をかえりみて、疲れた心に、慰藉と激励を与えられることだろう。『竹取物語』の現在古写本の1つ、吉田博士蔵本に初めて全訳注を施し、新しい理解と鑑賞へ読者を招待する。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

37
高1の古文の教科書に、冒頭の部分と結末部とが掲載されていた。当時から疑問に思っていたことは、『源氏物語』に「物語の出で来はじめの祖」と語られているほどに古い文献なのに、どうしてこんなに平易な文体なのかということであった。それは後に、最古の写本でさえ室町期までしか遡れないことを知って氷解したが。したがって成立も不明だが、「かぐや(輝かしい)姫」という美意識は、王朝よりもより古代的なものだろう。人間世界に流離する月の世界のお姫様の物語はよく知られているが、あらためて読んでみると、なかなかに趣き深いのである。2013/01/23

クラムボン

13
以前、江國香織の現代語訳(木版画版)を読んでいたので、今回は原文に挑んでみた。原文・現代語訳・語釈がセットで、余説が在り、大きな纏まりごとに著者の評と鑑賞が入る。現代語訳が在るので、原文の細かい解釈は抜きで、物語全体を楽しんだ。上坂さんが考える「竹取物語」の作者の創作意図は、翁や五人の貴族や帝らが俗物であるのに対して、世俗を超えた天人のかくや姫を対比して、どちらに大きな価値があるかを読者に考えさせることだと言う。ただ私には、この物語の持つ幻想的で伝奇的な面、風刺的でユーモラスな面により心を惹かれる。2023/11/17

あすな

7
『竹取物語』はただのファンタジーではない。/ 人の様々な性質が描かれていて、遠い昔のものとは思えない。今もいきいきと、私たちが日頃感じる何かがあった。/ 文学作品もたまには読んでみるもんです。 2011/06/10

あかつや

6
全訳のみならず、語の解釈、余説あるところではそのこともきちんと解説してくれる、実に手取り足取りの一冊。古典は門外漢のお気楽さで、細かいことは気にせずに雰囲気とリズムで読んでいくのが好きなのだけど、ここまで丁寧にされると、これもまたなかなか結構なものだなあと思いました。物語にはかくや姫さまそれはきついっすよって気持ちになるところもあるが、そこは俗世に生きる身の「幼なき」ところなんだろうなあ。2018/03/28

湖上の煙

6
再読。学生時代に感想文提出のために購入。課題をさっさと終わらせるために適当に読んだので、今回が初読のようなものだ。やはり他者から命令されてする読書と、自分から能動的に読む読書とでは当たり前だがまったく違う。解説が充実しており、特にこの話の元ネタともいえる伝承を、作者がどうアレンジして一遍の物語に仕上げたか考察している箇所や、この物語が「源氏物語」をはじめ後世の文学に与えた大きな影響を指摘した箇所は、興味深く読んだ。本編も最初から最後までおもしろかった。2017/03/10

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