出版社内容情報
教え子や友人たちを戦場に送った責任を痛感する著者は,戦後,現場の教師として,後には校長として民主教育に力をそそいできた.子どもの力をどう伸ばすか,そのために父母と協力して学級・学校経営に当るにはどうしたらよいか,また受験準備教育や国家統制への批判などを体験を通して語り,今後の教育実践の方向を示唆する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
き
41
戦前、戦後の時代に真剣に教育に取り組んだことについて回想している本。教育についてさらに深く学んでいけたらと思った。2022/08/05
hiroshi0083
3
1967年12月20日第1刷発行。今回は戦後70年アンコール復刊分を購入、読了。昭和3年から教員として生きてきた著者。その教員生活の間には、戦争などの社会情勢の変動が数多くあった。また戦後になると、教員を取り巻く様々な制度も制定、内部の環境も変化していく。この本では、それら変動や変化に時に翻弄され、悩み、そして抵抗、新たな決意をする心や姿が時系列的に回想されている。結果、昭和初期から戦前、そして戦後20年の教育現場の生の声を綴った、貴重な資料となっている。2015/04/18
シンドバッド
3
戦前から戦後の小学校の教育者の回想。終戦後の著者の苦悩がもっと書かれていたのであろうが、新書という字数制限と、教育者としての観点を優先されたものと考える。2013/05/20
しとらす
2
戦争前後の教育の現場の変遷を知りたかったので本書を読みました。時代の流れに翻弄されながら理想を求める著者の熱意が随所で感じられました。この本の冒頭で高等科と中学の板挟みの状況がこの後もずっと続いていて、日本の教育の一つの問題になっていると思うと、なんとも難しい気持ちになりました。勤務評定や学力テストが現場の人々に大変な思いをさせていたのだと感じました。「戦争と平和」ということもこの本のテーマの一つですが、「管理職と現場」ということも現代社会との接点が大きいテーマだったと思います。2017/08/05