日本の税金 新版(岩波新書 新赤版 1359)
三木 義一 著
内容
目次
序 章 私たちは誰のために税を負担するのだろう? 申告納税制度?/政権交代・大地震/民主主義と税/まず税制を知ろう 第一章 所得税──給与所得が中心だが給与所得者は無関心 1「所得」税と給与所得 「収入」と「所得」/給与所得控除/サラリーマンの必要経費/サラリーマンにも実額控除可能?/家族労働の必要経費性/住居の維持費 2 誰の所得なのか 夫婦の所得?/課税単位/夫婦財産契約 3「所得」に課税するのか、「人」に課税するのか 総所得金額/人税としての所得税/基礎控除額で人間が生活できるだろうか/課税最低限のまやかし/配偶者控除論争/パート労働の壁/医療費控除等 4 累進税率の意味 超過累進税率/税率の変遷/税額控除か所得控除か/控除から手当へ/住民税負担 5 所得税をどう改革すべきか 建前の応能負担/所得の把握と番号/税のグローバル化 第二章 法人税──選挙権がないので課税しやすい? 1 会社の税金の実態 法人税率は高いか/赤字法人/多い法人数 2 法人税の仕組み 法人の所得/会社の建前と法人税/同族会社/受取配当益金不算入/交際費損金不算入/税率/組織再編税制の台頭 3 会社の所得は誰のものか 法人擬制説と実在説/選挙権のない法人/法人税の方向 第三章 消費税──市民の錯覚が支えてきた? 1 錯覚する消費者 痛みを感じた消費税/誰が払うべきなのか/誰に払っているのか──免税業者/誰に払っているのか──簡易課税業者 2 シンプルでも、公平でもない税制 どの取引に消費税がかかるのか/シンプルな税制か/消費税は付加価値税/増加する仕入税額控除否認/逆進性は変わらず/滞納の増加 3 どうなるのか消費税 税率アップと非課税/ゼロ税率・軽減税率/給付つき消費税額控除/高齢化社会と消費税/正規雇用と付加価値税 第四章 相続税──自分の財産までなくなる? 1 制度疲労に陥っている税制 相続額が同じでも/遺産取得税方式から折衷方式へ/死亡件数一〇〇件のうち、相続税がかかるのは?/法定相続分でまず計算/取得額が同じでも税負担増/連帯納付/右肩上がりの税制/通達で評価/事業承継 2 相続税をどう考えるべきか 相続廃止は可能か/遺産取得税方式の徹底へ/相続三代続くと 3 贈与税の仕組みと問題点 贈与税は補完税/相続時精算課税の導入/いつ取得したか/法人への贈与は注意 第五章 間接税等──税が高いから物価も高い? 1 税が酒を造る 発泡酒騒動/分類差等課税/ビールは高級酒?/発泡酒とビールの差異/悪税が租税回避酒をつくる/酒税制度をどう変えるべきか/逆従質税/免許は必要か 2 たばこ増税の攻防 たばこにかかる五種類の税/五重課税か/増税で禁煙させられるか 3 暫定が恒久化する自動車関係税 引き上げは暫定?/特定財源の攻防/環境税化へ 4 様々な流通税 各種の流通税/相続させる遺言と登録免許税 第六章 地方税──財政自主権は確立できたのか? 1 地方税のしくみ 地方税条例主義/不明確な規定/三割・四割自治は変わらず 2 事業税 事業に課税/外形標準課税 3 固定資産税 台帳課税主義/バブル後遺症/家屋はなぜ下がらない/時価に連動すべきなのか/課税ミスの連続 4 都市計画税 固定資産税とどう違う/都市計画財源として機能しているか/都市計画への住民参加と都市計画税の再生 5 法定外税 自治体独自の税/実際の導入例/よそ者課税 第七章 国際課税──国境から税が逃げていく 1 逃げる納税者 タックス・ギャップ/「居住者」か否か/「住所」か「国籍」か/内国法人・外国法人/税金分捕り合戦 2 一国課税主義から国際連帯へ! 国外逃亡と徴税/国境を超えた税──国際連帯税 終 章 税金問題こそ政治 反税の義賊=ロビン・フッドは今?/毎年の税制改正手続とその公正化 あとがき
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