内容説明
蛟堂―表向きは、江戸時代より続く漢方薬局兼雑貨屋。だがその真の姿は、晴らせぬ恨みを引き受ける「報復屋」。心に闇を抱えた人々は、何かに吸い寄せられるように蛟堂へと導かれていく。莫大な報酬を支払い、消えることのない業を負うとしてもなお、報復を望む彼らに救いはあるのか―陰陽道の天才にして、「蛟堂」十二代目店主、三輪辰史が紡ぐ現代の怪異譚、ここに開幕。婚約者に裏切られた女の憎しみは、蛇と化して愛しい男を食い殺す。深く哀しい女の執念―「清姫」。無軌道に暴れる兄へ、幼い妹が下した哀しき決断とは。傍若無人な若者の宿命―「ピノッキオ」。物を貢ぎ、心を尽くしてもなお愛を得られない男は、女への復讐を誓う。男を翻弄し続ける女の結末―「赫夜姫」。哀しくも恐ろしい、三つの怪異譚を収録。アルファポリスミステリー小説大賞大賞受賞作。
著者等紹介
鈴木麻純[スズキマスミ]
1985年、静岡県生まれ。2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設、創作小説を書き始める。「蛟堂報復録」でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
45
( ;∀;)三輪辰史・・あまりに大人げない。「地獄くらやみ花もなき」の皓より10は年上なのに・・。地獄の沙汰も金次第って金色夜叉じゃあるまいし。はぁこのシリーズ5巻を抜いて9巻迄購入したのに・・表紙の顔に騙されたの。ミズチは嫌いだけどオトコマエ好きには堪えられない表紙の顔。悪い奴だからって報復なんてしてもらわなくとも、いずれ地獄に落ちるのに。辰史もまともな甥っ子と暮らしているのだからそのうち顔だけじゃなく「イイ男」になってくれることを期待して次巻にいこう2019/06/24
ゆみきーにゃ
38
《購入》期待して読んだのでガッカリ感が。。。引き込まれることなく終わってしまった。2014/07/26
ううち
34
再読。ジャンルはホラー?依頼内容がリアルです。救いのないお話もありかなと思います。辰史さんと比奈さんのケンカの原因がかわゆい。2015/07/07
のほほん@灯れ松明の火
20
レジに少々出しにくい表紙だったんですが、陰陽師だし報復だし…と手にとりました。 ちょっと期待し過ぎた様ですが、報復に使われるものが「物語」というのは面白かったです。どの話も救いのようなものがなく、特に「ピノッキオ」はゾォッとしました。 まだ、この本に入り込めてないようなので、続きを読んでみます。2012/05/08
十六夜(いざよい)
15
サクサク読了。怨み屋本舗+拝み屋横丁顛末記…といった感じだが、依頼人に見合った文献を使って報復するという設定は面白く感じた。全体的に救いのない話ばかりなので(報復テーマなので当たり前だが)決して晴々とした読了感ではないけれど、辰史の仕事人ぶりがなかなかいい感じで爽快だった。欲を言えば主人公の恋愛部分がテンポを悪くしているように感じる。果たして必要だったのだろうか。取り敢えず続きも読みます。2014/05/29