講談社学術文庫<br> 西洋中世奇譚集成 東方の驚異

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講談社学術文庫
西洋中世奇譚集成 東方の驚異

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  • サイズ 文庫判/ページ数 163p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062919517
  • NDC分類 388.3
  • Cコード C0122

内容説明

謎のキリスト教王国を支配する「インド」の王中の王ヨハネ=プレスター・ジョンから西方の皇帝宛の書簡と、東方大遠征の途次にアレクサンドロス大王がアリストテレスに送った手紙。そこに描かれる乳と蜜の流れる東方の楽園には、黄金と象牙と宝石が溢れる壮麗な王宮が煌めく。一方で鰐皮の蟹、犬頭人など奇怪な動植物や人種が跋扈する。東方幻想に中世人の想像界の深奥を読み解く。

目次

1 アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙(ラテン語)
2 司祭ヨハネの手紙1(ラテン語ヴァージョン)
3 司祭ヨハネの手紙2(古フランス語ヴァージョン)

著者等紹介

池上俊一[イケガミシュンイチ]
1956年生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程西洋史学専攻中退。東京大学助手、横浜国立大学助教授をへて、現在東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

13
アリストテレス宛の書簡という形式で語られるアレクサンドロス大王の東方遠征における見聞録と、東方に存在したとされるプレスター・ジョン伝説を内容とする。本書では東方における驚異としてインドでの奇譚が語られているが、西洋の中世でいうインドは抽象的で棒漠とした広範囲を意味し、『東方』という言葉で捉えられる未知なる領域に対する中世の人々の有した神秘の念が鮮やかに描かれている。個人的にはアレクサンドロス大王の末期を予言する、ギリシャの言葉とインドの言葉をそれぞれ話すことができる太陽と月の聖樹の説話がお気に入りだ。2020/03/22

singoito2

9
読友さんきっかけ。「皇帝の閑暇」の方が図書館にないのでこっちを借りてきたら、開けてビックリ、U.エーコの「パウドリーノ」に取り上げられていたプレスター・ジョンの偽書簡が収録されているのです。いやぁ、思わぬメッケモノ。でも、内容は黙示録も裸足で逃げ足す奇想の連続で、正直、当方の想像力がついていけないのでした・・・2024/01/18

三柴ゆよし

9
エーコ『バウドリーノ』で超重要な役割を果たす司祭ヨハネの手紙全文が読めるほか、「アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙」中のあるくだりを、エーコはそのまま引用しており、小説と併読するとこのうえなくおもしろい。2018/12/17

misui

5
アレクサンドロス大王の東征伝説やプレスター・ジョン伝説の元となったテキストを収める。プリニウスなどの博物知識は中世においてどのように流通していたのか(そしてこのような荒唐無稽なテキストに援用されるようになったのか)はちょっと気になるところ。2018/11/30

ankowakoshian11

2
積み本消化。アリストテレス宛の書簡という形のアレクサンドロス大王の東方遠征見聞録と、東方に存在したとされるプレスター・ジョン伝説(司祭ヨハネの手紙)なんだこの豪快絢爛な世界は 笑 三位一体(父息子聖霊)が繰り返され、恩寵の在り方がこれでもかーーという位に並べ立てられる。途中からこれは自慢話か……?と愉快になってきてしまった。旧約聖書における荒唐無稽なファンタジー。興味深い……。2022/03/28

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