- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > 講談社ブルーバックス
出版社内容情報
記憶には短期記憶と長期記憶がある。脳の中でどのように振り分けられるのか。神経細胞に作用して記憶を操る分子のしくみを解き明かす記憶するとはどういうことなのか?
ノーベル賞学者が書いた新しい脳と記憶の教科書。カラー図解
上巻では、記憶は人の存在・個性(その人が誰であるか)を決定する基本的な生理機能であり、記憶には種類があり大きくは二つに分類されることを具体的な証拠をあげて説明していきます。その一つは、陳述記憶であり、これは言葉で説明できる出来事(エピソード)に関するもので、意識できる記憶です。もう一つは、運動技能や反射などの非陳述記憶であり、このグループに属する記憶は、説明することができないばかりではなく、意識することもできません。記憶には種類があることを決定的に裏付けた患者H・Mの症例についての記述は、上巻の中でも最もエキサイティングな部分です。つまり、難治性てんかん治療のため海馬を含む側頭葉の摘出手術を受けたH・Mは、術後にてんかんは軽快したものの、悲惨にも陳述記憶は失われ、非陳述記憶は健常人と同様に保存されていることが、ブレンダ・ミルナーらによって発見され、この事実はその後の記憶研究に大きな影響を与えました。軟体動物のような比較的単純な神経系の動物でも、非陳述記憶ははたらいていて、この種の記憶が神経細胞のつなぎ目(シナプス)でどのように作られるかの説明は、上巻のもう一つのクライマックスです。
第1章 心から分子へ
第2章 非陳述記憶のための修飾可能なシナプス
第3章 短期記憶のための分子
第4章 陳述記憶
第5章 陳述記憶のための脳システム
エリック.R・カンデル[エリック.R カンデル]
著・文・その他
ラリー.R・スクワイア[ラリー.R スクワイア]
著・文・その他
小西 史朗[コニシ シロウ]
監修
桐野 豊[キリノ ユタカ]
監修
内容説明
記憶はどのように組織化されるのか?記憶の種類、記憶を司る分子、学習とシナプス可塑性を中心に解説。ノーベル賞学者が書いた新しい脳と記憶の教科書。
目次
第1章 心から分子へ(心理学的過程としての記憶;行動主義革命 ほか)
第2章 非陳述記憶のための修飾可能なシナプス(非陳述記憶のもっとも単純なケース、それは馴化(慣れ)
脳の信号伝達要素としてのニューロン ほか)
第3章 短期記憶のための分子(鋭敏化の研究から得られたヒント;セカンドメッセンジャー系 ほか)
第4章 陳述記憶(陳述記憶の符号化;陳述記憶の貯蔵 ほか)
第5章 陳述記憶のための脳システム(短期記憶は即時記憶と作業記憶に分けられる;長期記憶 ほか)
著者等紹介
スクワイア,ラリー・R.[スクワイア,ラリーR.] [Squire,Larry R.]
カリフォルニア大学医学部サンディエゴ校教授。専攻は精神医学・神経科学・心理学。米国科学アカデミー会員。米国心理学協会の科学貢献賞はじめ多数の受賞
カンデル,エリック・R.[カンデル,エリックR.] [Kandel,Eric R.]
コロンビア大学神経生物学行動センターを創設し現在も同大学教授。ハワード・ヒューズ医学研究所上級研究員、米国科学アカデミー会員。ノーベル生理学・医学賞はじめ多数の受賞
小西史朗[コニシシロウ]
1944年生まれ。東京医科大学医学部講師、早稲田大学教授などを経て、徳島文理大学薬学部教授、神経科学研究所所長
桐野豊[キリノユタカ]
1944年生まれ。九州大学教授、東京大学教授、東京大学薬学部長、東京大学理事・副学長を経て、徳島文理大学学長・香川薬学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おりん
kaizen@名古屋de朝活読書会
loanmeadime
WATA
みき