内容説明
本書は、和辻哲郎の生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。第1編の生涯編で、彼の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、第2編では、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。平易な記述と生き生きとした表現を心がけ、新鮮な印象が残るように努めました。一般の方々のハンディな教養書として、また学生・生徒の参考読物として、広く本書をおすすめします。
目次
1 哲学者をめざして
2 自己表現の道
3 日本論確立への道
4 人間の学としての倫理学
5 戦後の和辻と私人としての和辻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
6
なかなか和辻クラスの人物について入門書だけで何かは言えないのである。ただ、彼の君子豹変ぶりについては、戦前・戦後の思想の変化だけでなく、ニーチェについての本から出発した人がいまに言われる「和辻倫理学」に辿り着いたところからも察せる。思うにとても無邪気な人であり、自身の人生とともに変化した直観に寄り添って哲学を変更していけたのだ。変節にも見えるが、彼がヘルダー由来の歴史的(+空間的)特殊性を重視した立場からはむしろ自然であり、各点を貫く普遍性が彼の哲学なのだろう。本書はそれらの点を上手く説明できている。2021/11/09
えむ
1
和辻哲郎の生涯と主要著作を解説。様々な著作がある和辻哲郎だが、そのどれかに偏ることなく、バランスよく各著作の紹介がなされている印象を受けた。2016/08/01
喚く狂人
0
この人の著書に手を出す前に、ある程度の知識を集めておこうと思って読んだ2010/05/17