内容説明
「ラプンツェル」「天国の仕立屋」「ガチョウ番の娘」―。1812年の初版から、世界中が愛読している第7版まで、半世紀にわたる版ごとの改筆の跡をたどり、「伝承」から「文学」への変化を読み解く世界初の試み。
目次
序章 グリム兄弟のメルヒェン観と作品の軌跡
第1章 グリム兄弟の生涯と童話集
第2章 グリム兄弟の初期のメルヒェン観
第3章 語り手と聞き書き
第4章 「天国の仕立屋」
第5章 「ラプンツェル」
終章 メルヒェンのスタイルの模索45年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円舞曲
16
語りのための資料読み。2016/07/09
うえ
8
「白雪姫のメルヒェンで…一度目に行商人の女にひもで息の根をとめられた白雪姫は、こんどは農婦が現れて、くしを売りつけられ…殺されます。三度目にまた女が現れて、りんごを売りつけようとし…買って、殺されます。…メルヒェンはこのような語り方を好みます。つまり、一回目、二回目、三回目の出来事がそれぞれカプセルに入った状態になっていて、以後に影響を及ぼさないのです。それはどういう効果をもつかといえば…どんな出来事でも発生させうる…しかも、主人公は最終的には確実に幸福に至る…この仕掛けがメルヒェンにおとぎ話性を与える」2021/12/06
ぼんくら
8
グリム兄弟の生涯と童話集について。語り手について。どのように再話されたかについての考察。これ一冊でグリム童話の成り立ちを知ることができます。オススメ。2012/12/09
ねこはこね
1
ラプンツェルについて、グリム童話各版をすべて比較している。2012/07/27