出版社内容情報
私たちを魅惑する南島の薫り高い文化・風俗.その根源を探求すると,広くアジアの,古くからの人々の営みにつき当たる.日本からアジアに開いた窓,沖縄に生まれ育った著者の豊富な検証による比較民俗学の世界へ読者を誘う.
内容説明
私たちを強く魅了してやまない南島の文化や風俗。それらの底に流れるものは何であろうか。自らの生れ育った沖縄の綿密な調査を足がかりに、全アジア的な文化構造を検証してきた著者が、文化への視点と、その選択の重要さ―目のつけどころを解説。
目次
第1章 日本のなかの琉球列島(地方独自のことば―方言のこと;ことばの類似と相違―沖縄の内と外と ほか)
第2章 中国大陸の文化と沖縄(中国大陸三〇〇〇キロを歩く―歴史の再現;琉球にもたらされた中国文化 ほか)
第3章 東南アジアへのまなざし(音への郷愁―島嶼と大陸;文化の個性、多様性を生み出すもの ほか)
第4章 染織・布・をなり神―女性の地位・役割・象徴(女性の仕事・役割;妹の力、をなり神信仰とアジア ほか)
著者等紹介
比嘉政夫[ヒガマサオ]
1936年沖縄県那覇市の生れ。琉球大学卒業後、都立大学大学院で社会人類学を専攻。琉球大学教授を経て、国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授。周辺における中央文化の受容などの、社会構造の研究に成果をあげる。83年、門中の研究に比嘉春潮賞、沖縄タイムス出版文化賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
24
島嶼性と海洋性2023/02/19
Hiroki Nishizumi
3
沖縄とアジア近隣諸国との比較文化論をジュニア向けにやさしく解説してある。分かりやすく、ためになった。2019/03/12
かずら
1
沖縄出身の民俗学者である著者が、沖縄と日本、中国、東南アジアの文化的共通点を解説します。読んでいてわかったのは沖縄は沖縄として生まれたわけではなく、さまざまな外的な要因によって「沖縄になった」ということです。日本と中国と東南アジアの文化が混交する「ゆらぎ」こそが沖縄の姿なのでしょう。沖縄島嶼部というと閉鎖的なイメージがありますが、実際は多くの文化的交流を行い、信仰や民俗を変容させてきたのですね。2014/01/29
yarake isuke
1
比嘉先生の訃報を聞いたあと、古書店に入ったら書棚から目に飛びこんできました。比嘉先生の民俗学への愛情が伝わってきます。2009/04/23
ゆかちん
0
難易度 ★★★☆☆2015/04/17