出版社内容情報
1900年,元老・大久保利通の孫として生まれた著者は,大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し,日本近代史研究の先鞭をつけた.多方面にわたる研究業績に加え,憲政資料室創設を中心とした史料整備など,学界に対する寄与ははかりしれない.若き日に接した河上肇・尾佐竹猛らの思い出など,興味深いエピソードに満ちた回想録.
内容説明
1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学界に対する寄与ははかりしれない。若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。
目次
1 明治の記憶
2 大正デモクラシーのなかで
3 日本近代史に立ち向う
4 編纂事業のなかで
5 憲政資料室とともに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AKa
5
現在の学問としての日本近代史は『日本資本主義発達史講座』からの流れではあるが、それとはまた別の流れで起こった明治文化研究会の様子が大変興味深い。同会に何度か参加したものの馴染めなかったという遠山茂樹が著者に語った感想が「雑学でしかない」であった。ここのところ日本中世史では、実証主義的な研究者への理論主史学からの批判がなされているが、売上という世間の反応を見るに、科学コミュニケーションならぬ「歴史コミュニケーション」において、一般が歴史に求めているのは、主義ではなく雑学だったりしないのだろうか。2020/01/11
中将(予備役)
2
存在が歴史のそのものの様な歴史家の自伝。(関わりのある学者たちが聞き出してまとめたもの)相当の年齢であろうに「この講演記録はいずれまとめてみたい」(23頁)などと言うぐらい精力的に生涯かけて歴史に向き合っている。資料集めの話からは、保存の重要性と学習院や華族の人脈の貴重さを感じた。平泉澄の優秀さも伺い知れる。2018/12/10
Youhei Hatakeyama
0
史料収集の重要さ、楽しさ。こういう仕事をしてみたいものです。2014/12/11
@を
0
時代の雰囲気を感じようと購入。乃木氏の頃の学習院時代、戦中、GHQ下での教科書製作など面白い話が沢山。歴史の資料蒐集、編纂の大変さもにじみ出てる。2013/06/02
bemoost
0
登場する人々がなんだかすごい2009/06/02