出版社内容情報
最も魅力的な科学である進化の理論を,簡明かつ明快に解説する入門書.自然淘汰万能の立場ではなく,木村資生の中立説にも十分なスペースを割き,社会生物学論争にも言及している.『現代の進化論』の第2版.
内容説明
なぜ地球上にはこれほどにも多種多様な生物がいるのだろうか。ダーウィンは、これらの生物には共通の祖先があり、それが長い時間をかけて変化してきた結果、この多様性が生まれたのだと考えた。そして、このような「変化」の原動力は自然淘汰であるとし、進化の理論を提唱した。現代の進化理論は、この自然淘汰の考えに、分子遺伝学をはじめとする生物学のあらゆる成果を取り入れて豊かになり、現代科学の重要な指導原理のひとつになっている。本書は、この魅力的な科学である進化の理論を、最新の成果をふまえて簡明に解説している。自然淘汰万能の立場ではなく、木村資生の中立説にも十分なスペースを割き、科学論との関わりや社会生物学論争にも言及している。
目次
現代進化理論の概要
種とは何か
種内変異
遺伝
遺伝と変異
突然変異
自然淘汰の理論
淘汰の実例
中立進化と分子時計
遺伝子ファミリーと遺伝子進化
種の起源
ガラパゴス諸島における種形成
生命の階層
証明と反証、科学と政治
生命の起源と初期の進化
進化と人間
進化論をめぐる人々
著者等紹介
パターソン,コリン[パターソン,コリン][Patterson,Colin]
1933~1998。ロンドンのトンブリッジ・スクールとインペリアル・カレッジに学ぶ。インペリアル・カレッジで動物学を専攻し、1957年、首席で卒業。ガイ病院医学校の講師になると同時にユニバーシティ・カレッジでPhDを取得。1962年にロンドンの自然史博物館の古生物学部門担当に任命され、1993年に60歳で退官。退官後も1998年に没するまで研究の日々を送った。1970年にはハーバード大学で教鞭をとっている。1963年に処女論文を発表して以来、主に魚類の形態と進化に関する論文やモノグラフを世に問うた。その数は100編を超す。1993年にイギリス王立協会の会員に選出されたほか、アメリカ自然史博物館の客員研究員、スミソニアン協会自然史博物館運営委員会委員、リンネ学会会員等を歴任している。1998年3月没
馬渡峻輔[マワタリシュンスケ]
1946年生まれ。1969年北海道大学理学部動物学科卒業。1974年同大学院理学研究科動物学専攻博士課程修了。理学博士。現在、北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻教授
上原真澄[ウエハラマスミ]
1946年生まれ。1969年早稲田大学第一文学部卒業。タイムライフ社「ライフ/サイエンスライブラリー(人間と科学シリーズ)」編集長、マイクロソフト社「エンカルタ百科事典」イヤーブック編集長などを経て、現在は翻訳・著述業、編集者
磯野直秀[イソノナオヒデ]
1936年生まれ。1959年東京大学理学部生物学科卒業、1964年同大学院生物系研究科博士課程修了。理学博士。現在、慶応義塾大学名誉教授
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