社交界も、家庭も、愛しい息子も、みずからの心の平安さえもなげうって、ヴロンスキーのもとへ走ったアンナ。しかし、嫉妬と罪の意識とに耐えられず、矜り高いアンナはつい ...

... アンナ・カレーニナ』の構想浮かぶ。十二月九日、ギリシア語を学びはじめる。ピョートル一世時代を扱った歴史小説の想を練る。一八七一(四十三歳)一一月、次女マリーヤ誕生。サマーラに療養に行き、土地を買う。一八七二(四十四歳)一月、私邸内に学校を ...

ロシアの作家レフ・トルストイによる大長編小説を、時間・場所・人物を交差させながら各章ごとに読み解く。小説への愛、小説を読む喜びに満ちた作品論。

モスクワ駅へ母を迎えに行った青年士官ヴロンスキーは、母と同じ車室に乗り合わせていたアンナ・カレーニナの美貌に心を奪われる。アンナも又、俗物官僚の典型である夫カレ ...