内容説明
おべんとうハンター阿部夫婦が全国各地でみつけた家族のおいしい物語。
目次
土屋継雄さん―集乳
酒匂茂さん―霧島町蒸留所
越智日出子さん―みかん栽培
石井春美さん―看護師兼馬体重測定係
松井利夫さん―大学教授
里見幸子さん―海女
北原孝訓さん―手延べ素麺職人
田宮芳子さん―砂かけさん
立花夏希さんと馬のナナ―馬牽き
村崎新八さんと猿の勘平―猿まわし〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
127
なにこれ、物凄く面白い。琴線にガンガン攻めてくる。様々な職業の人達の、こう言っては何だが平凡なお弁当。だけど、そのお弁当には色々な愛情がつまっていたり、エピソードが隠されていたり、そこから派生してお弁当の思い出話がどんどん溢れてくる。語られるままのような口語体が胸にせまってきてもうたまらない。なんなのかなあ、この込み上げてくるものは。言わずと知れた『翼の王国』の連載もの。カメラマンの夫と物書きの妻、そして娘さん。家族共同作業とも言えるこの作品、写真もいいが、とにかく文章がいい。まだ読んだことない方はぜひ。2018/12/16
あつひめ
126
お弁当を食べる人の笑顔と作り手の愛情が伝わってくる。そして、そりやみんな生きていれば辛いことも悲しいことも苦しいこともあるだろうが、こうして自分のためのお弁当を広げることでいろんなこともチャラにしているかもと思うほど、みんな生き生きとした語り口調。私も家族に毎日作ってはいるけど、やっぱり心の中で面倒だななんて思うこともある。これじゃダメだよね。蓋を開ける楽しみ。それが小さな幸せでもあるのだから、子供に幸せや感謝の心が生まれるような生活環境を整えるのが親や家族だものね。飾らない日々の暮らしこそ生きる原点かも2013/10/27
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
112
☆5.0 ANA機内誌「翼の王国」に掲載された「おべんとう」に纏わるエッセイ。 それぞれのおべんとうにはそれぞれのおかずがあるように それぞれの物語がある。 あるお母さんは幼稚園の娘のお弁当にハート型の玉子焼きを入れてあげたら「おかーさん、お弁当に幸せのカタチが入っていたね」って。以来ずっとハート型の玉子焼を入れているそうです。 写真はあの「サラメシ」の人気コーナー「お弁当を見にいく」の阿部了さん。2021/03/19
tetsubun1000mg
88
先月、筆者阿部直美さんの「おべんとうの時間がきらいだった」を読んでいて、直美さんのお弁当への苦悩と夫の了さんと出会って一般の人のお弁当の写真を撮るいきさつを知っていたので大変面白く感動してしまいました。 知らない会社や団体に電話をして「普段の弁当の写真を撮って取材させてください」というのは緊張したでしょう。 10年続けてANAの機内誌やNHKの「サラメシ」に取り上げられてレギュラー化されている。 鳥取砂丘の馬挽き、熊本の猿まわし、京都の茅葺職人の話がまるでドラマを見ているようで涙が出そうになりました。 2020/11/22
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
87
★★★✩撮影のための、ちょっとだけおすましのお弁当なのかな…。家族に作ってもらう人は、内緒のまま撮影に臨む人ももちろんいるけれど。日常を切り取るための「非日常」誰もがちょっとだけおすましして、そして誇らしげ。添えられたインタビューを読みながら、食べるって良いなぁって、ほんのり想う。後書き読んでたら、なんだかふいに涙腺が緩んで…。誰かのための「おべんとう」自分のための「おべんとう」。食べるって良いなぁ(❁´ ︶ `❁)*✲゚*2015/07/10