出版社内容情報
20世紀,あるいは人類史上の重大事ともいえる原子爆弾がいかにしてつくられたのか。なぜ広島と長崎に投下されたのか…。その全貌を,膨大な文献調査と300人を超えるインタビューで完璧なまでに再現する。原爆をめぐる国際政治の動き,科学の発展の軌跡を克明に追う一方で,政治家や科学者たちの熱狂と苦悩を生々しく描く。ピュリッツァー賞受賞作!
内容説明
20世紀、あるいは人類の歴史を通じて最も重大な大事件ともいえるこの原爆がいかにしてつくられたのか。なぜ広島と長崎に投下されたのか。その全貌を、人間と政治、科学・技術の細部にいたるまでを、歴史ドキュメントとして完璧なまでに再現。
目次
深遠で避けることのできない真実(月影;原子と真空;Tvi(疑い)
長い墓穴はすでに掘られていた
火星からの男たち ほか)
特別統治権(中性子;断面積;英国からの報告)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
4
ふむ2024/02/16
MAT-TUN
4
優れた書物。戦争と政治と科学(者)の20世紀を俯瞰するのに好適。私は物理学を志したときに兵器開発だけはすまいと心に誓っていたが、第一、第二次大戦を通して世界の天才を集めて、「戦争の早期終結によってより多くの人命を救う」との美名のもとに大量殺戮兵器を作り続けていたことに無念さを感じた。また、ドイツ等の第一次大戦の敗者を余りにも過酷に処分した反動で恐ろしいことが起こったことについて、「国も人もあまりに貶めるのは寧ろ害がある」とマキャベリの指摘するとおりだと思った。2012/01/08
メロン泥棒
1
原子核の発見からアメリカが本格的に原子爆弾開発を開始するまで。上巻は科学史的な内容が中心で、政治的な部分はごくわずか。核開発に携わった物理学者達の来歴や研究内容が詳細に述べられている。1903年頃にはラザフォードが既に「実験室の誰かばかなやつが、自分ではわけもわからずにこの宇宙を吹き飛ばしてしまう可能性だってある」と言っているのが印象的だった。2010/07/11