ハヤカワ演劇文庫
ウィリアム・サローヤン〈1〉わが心高原におーい、救けてくれ!

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  • サイズ 文庫判/ページ数 154p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784151400131
  • NDC分類 932
  • Cコード C0197

内容説明

貧しい父子の前にふらりと現われた謎の老人。シェイクスピア俳優を名乗り、美しい音色でラッパを吹く彼と父子は、奇妙な絆を築いていく。町の人たちも、彼の不思議な魅力につかの間苦労を忘れるが…「わが心高原に」。社会の底辺に暮らす青年と、さげすまれて生きてきた娘の幻のような恋を描いた「おーい、救けてくれ!」。人生をまるごと肯定し、貧しい庶民の生活を優しい眼差しで描き続けた“劇詩人”による珠玉の二篇。

著者等紹介

サローヤン,ウィリアム[サローヤン,ウィリアム][Saroyan,William]
1908年、カリフォルニア州フレズノに生まれる。両親はアルメニアからの移民。幼くして父親を亡くし、新聞配達などをして一家の家計を支えた。やがて作家を志し、1934年、「ストーリー」誌に掲載された短篇小説「空中ぶらんこに乗った大胆な若者」で脚光を浴びる。『我が名はアラム』(1940)、『人間喜劇』(1943)、『ママ・アイラブユー』(1956)などの小説は日本でも評価が高い。劇作家としても、ピュリッツァー賞に選ばれた1939年の『君が人生の時』を皮切りに作品多数。アルメニア系という自身のルーツや、少年時代の貧しい暮らしを下敷きに、厳しくとも希望のある人生模様を温かく描いた。ローズマリー・クルーニーが歌ったヒット曲「家へおいでよ」(1951)の作詞を手がけたことでも知られる。1981年、生まれ故郷のフレズノにて死去

倉橋健[クラハシタケシ]
1919年生。早稲田大学文学部英文科卒、早稲田大学教授、演劇博物館館長を歴任、2000年5月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

137
サローヤンの戯曲が2篇。「おーい、救けてくれ!」は、ごく短い1幕もの。一方の「わが心高原に」は、上演時間こそ短いが本格的な3幕劇。舞台は、作家自身が生まれたカリフォルニア州のフレズノ。主人公一家の設定も、やはり作家の境遇と同じアルメニア移民。時間設定は1914年だから、第1次世界大戦の始まった年。登場人物たちは皆一様に貧しいのだが、そこに暗さはない。ただ、元は俳優だったというマグレガー老人の吹き鳴らすビューグルが明るく響きわたるほどに、そこはかとない悲しみの感情が喚起されてくる。劇に流れる空気感は透明だ。2014/06/13

コニコ@共楽

14
リア王を読んで戯曲づいて、ハヤカワ演劇文庫を読んでみました。それも懐かしいサローヤンの作品。表題作「わが心高原に」は、切ないです。ジョオニイの明るさと好奇心に救われますが、最後に流れるビューグルの幻聴のような音楽が物悲しく、胸に迫ります。マッグレガア老人がリア王を演じていて、この本を読んだことにセレンディピティを感じてしまいました。2019/11/28

散歩中

4
北杜夫さんが好きな作家ということでサローヤンを読んでみました。戯曲は暖かい話でしたが、寓話的童話的で少し物足りなく感じました。当時のアメリカの貧しい人々の生活は現代人と違いあまりにも素朴だったのでしょうか。 短篇集と読み比べたいと思っています。2016/03/14

御餅田 もちこ

3
中編2つ。 わが心高原に→誇り高き芸術に生きる一方、貧しさにあえでいる一家の話。でも全体を包む空気は朗らかだ。2017/11/21

2
著者:ウィリアム・サローヤン 2008年1月20日印刷 2008年1月25日発行 訳者:倉橋健 発行者:早川浩 発行所:株式会社早川書房 印刷:精文堂印刷株式会社 製本:株式会社明光社 カバーデザイン:工房はやし 解説:川本三郎 定価:本体720円+税2023/10/08

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