朝日選書
丸谷才一を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630469
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

出版社内容情報

なにより読むことの楽しさを大事にした丸谷才一の文学世界。趣向にみちた小説、王朝文学や江戸文芸、西欧文学をもとにした批評を通じて、日本文学において何を達成しえたのか。丸谷才一の仕事に迫る、はじめての待望の本格的評論。

内容説明

楽しく、冒険にみちた丸谷才一の文学世界。「忠臣蔵」の御霊信仰と祝祭性、ジョイスと後鳥羽院の共鳴、小説における仕掛けの謎を解く。小説と批評を軸にした、はじめての丸谷才一の本格的評論。

目次

第1章 『笹まくら』からの出発
第2章 反乱・カーニヴァル・国家
第3章 モダニズム文学の花火
第4章 短篇小説が実現したこと
第5章 御霊信仰からカーニヴァルへ
第6章 現代社会の背後には
第7章 『輝く日の宮』の達成

著者等紹介

湯川豊[ユカワユタカ]
1938年、新潟県生まれ。文芸評論家・エッセイスト。慶應義塾大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。「文學界」編集長、同社取締役などを経て2003年退社。東海大学文学部教授、京都造形芸術大学教授を歴任。2010年『須賀敦子を読む』(集英社文庫)で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

117
丸谷さんは、論評家そして翻訳家としての著作は何冊か読んでいるが、彼の書いた短編や長編にはあまり馴染みがないために、ここで書かれていることを味わいきれなかった。彼の持つ広く深い知識には常々感嘆しているが、彼の作家としての作品をもっと読んでから再読したい。2016/10/09

KAZOO

114
書評というよりも丸谷才一紹介あるいは讃歌の本だと思います。全集のの編集をしたりしてその作品をすべて読み込んでいる感じです。ですので普通の書評の本とは異なります。かなり内容に踏み込んでの論考的な本になっている気がします。これから丸谷才一を読もうと思っている人よりもまあすでに読んでいる人が対象であると感じました。2016/09/04

呼戯人

21
湯川豊は本当に優れた批評家である。それは、丸谷才一が大江健三郎に勝るとも劣らない大文学者であることと同じように明らかなことだ。私は、この本によって日本にも後鳥羽院以来のモダニズムの系譜があることを教えられた。それは、漱石や潤一郎、石川淳や大岡昇平を経て、丸谷才一に結晶しているモダニズムの系譜である。もちろん、ジェイムズ・ジョイスの破天荒な神話的試みを追ってゆくというそれ自体大冒険を経て、成し遂げられた偉業であるのだが、それが本当に手に取るように分かる文章で書かれている評論である。2016/06/12

ニッポニア

4
「笹まくら」の衝撃があって、本屋で見つけその衝撃を説明してほしくて購入。構造、背景など読み込むところは多々あるが、語り口の新しさのみに着目してもその文学的な価値はあるんではないかと感じる。この歴史に残る作家の全作品に触れないと、と焦っている。2016/08/07

冬薔薇

3
この丸谷論を読めば再読したくなる。小説はストーリー展開だけでも面白いのだが、これらを知っていればもっと深く違った読み方もできるだろう。この本も面白く読みやすかった。(未読の本を読んだ気になってしまう)2018/01/24

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