出版社内容情報
アジア諸国を震撼させた通貨危機を経て,いまアジア経済は大きな転換期を迎えている.日本企業はアジアにおいてどんな役割をはたしてきたのか.経済史の視点から半世紀に及ぶアジア進出の歴史をたどり,今後の関係を展望する.
内容説明
アジア諸国を震撼させた通貨危機。今、アジア経済は大きな転換期を迎えようとしている。戦後、日本企業はアジアにおいてどのような役割をはたしてきたのか。敗戦直後から通貨危機にいたるまで、経済史の視点から半世紀に及ぶアジア進出の歴史をたどり、これからの日本とアジア経済の行方を展望する。
目次
1 敗戦直後の状況
2 再進出の模索―一九五〇年代
3 円借款による市場開拓―一九六〇年代
4 直接投資への動き―一九七〇年代
5 日米貿易摩擦のなかで―一九八〇年代
6 アジア経済圏の発展とバブル化―一九九〇年代
7 アジア通貨危機―一九九七~九八年
8 アジアと日本企業のこれから―一九九九年
著者等紹介
小林英夫[コバヤシヒデオ]
1943年、東京に生まれる。1966年、東京都立大学経済学部卒業。東京都立大学経済学部助手、駒沢大学経済学部教授をへて、現在、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。専攻、日本近現代史・アジア経済論
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
6
1960年代の経済成長期にして、アジア太平洋経済圏(58頁~)構想はあるようだ。しかし、東アジア共同体(森嶋通夫先生)はなかなかうまくいかないのだな。アジア通貨危機のとき僕は、修士課程で就活していたが、うまくいかず、1社の内定は得たが、親に賛同をしてもらえず、結局、博士課程に向かうことになった。その当時の景気は悪かったのだろう。俺も大学院在籍していた期間は重点化の頃だったので、ODになる頃の就活も小泉になる頃だったので、やっぱりうまくいかなかった。公務員試験は受けてみたものの、受からなかったな。今もだが。2013/08/09
Masaya
0
戦後の日本の経済復興と企業の海外への進出とを整理している。範囲としては第二次世界大戦からアジア通貨危機まで。日本が最初に対象とした地域はインドを中心とする南アジアでそこからNIEsやASEAN、中国へと対外投資の対象が変化していく過程を分かりやすく説明している。またODAとの関連や商社、銀行の役割なども詳しく解説されている。2010/11/02
じろう
0
戦後の日本経済発達史がわかってよかった。借担や贈与で他国のインフラ整備をしている中国は似たような道を歩んでいる。それにしても日本は衰亡の一途なのか。2018/02/16