内容説明
明治10年、「日本数学西洋数学を問わず、諸流互いに気脈を通ぜん」と集まった人々がいた。東京数学会社―現在の日本数学会と日本物理学会の前身―の創立集会である。しかし世界レベルの研究への道のりはまだ遠い。湯川・朝永・小平らを輩出した日本の数学・物理はいかにして根づき、花開いたのか?西洋生まれの学問の普及・教育・研究に苦闘した先駆者の物語。
目次
プロローグ 東京数学物理学会
第1章 菊池大麓、西洋数学に体当たり
第2章 内田五観、和算家の夢の挫折
第3章 藤沢と高木、日本の数学を作る
第4章 物理学の変容
第5章 物理学の啓蒙
第6章 山川健次郎と物理開化
第7章 長岡半太郎による飛躍
著者等紹介
蟹江幸博[カニエユキヒロ]
三重大学教育学部教授
並木雅俊[ナミキマサトシ]
高千穂大学人間科学部長・教授。物理チャレンジ・オリンピック日本委員会副委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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calaf
7
そうか、確かに最初の大学って日本人の教授はほとんどいませんね。ほとんどがお雇い外国人教師だった...当然といえば当然か。2012/05/31
takao
0
明治に、留学2016/12/04
MrO
0
わずか数年の死に物狂いの勉強で、数学、物理の世界で、業績を残していく明治の先人たちの使命感にただただ感心。教授法など、何かを学ぼうとする情熱の前には、ほとんど意味をなさない。2016/09/22
unusb
0
現在当たり前のように学んでいる数学や物理について、日本の歴史を詳述した一冊。特に、日本で最初の学術団体の歴史や、旧帝国大学の今日に至る変遷はとても勉強になった。恥ずかしながら、気象学会が 1882 年に創設されたという事実をこの本で知った。2014/05/16
KTakahashi
0
東京数学会社の創立集会。1877年9月 2023/01/09