顔をなくした数学者―数学つれづれ

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  • サイズ B6判/ページ数 160p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000052177
  • NDC分類 410.4
  • Cコード C0041

内容説明

微分幾何および複素多様体の研究で、世界的な業績を挙げた小林昭七氏の初のエッセイ集。「数学つれづれ」と題して書き留められた小片は、著者急逝のため、けっきょく完成を待たず遺稿となった。数学者の実像や数学記号がどんなふうに生まれたか、また「数学の美」とは何かといったエッセイからは、数学および数学者に対する著者の深い思いが伝わってくる。

目次

1 数学つれづれ(純粋と応用;数学の美を感じさせる証明 ほか)2 数学史余聞(数学一家;数学者の名と顔 ほか)
3 ギリシャ数学の魅力(古代ギリシャ数学をたずねて;リンカーン大統領とユークリッド ほか)
4 数学と教育(数学サークル;国際数学者会議(ICM) ほか)

著者等紹介

小林昭七[コバヤシショウシチ]
1932年甲府生まれ。1953年東京大学理学部数学科卒。1960年より94年の退職まで、米国カリフォルニア大学バークレー校の数学科で教鞭をとる。その後も同大学院教授、および慶應義塾大学等の客員教授として、微分幾何学の研究および教育に従事。2012年8月29日心不全のため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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冬川

2
色々と初心や好奇心をとりもどしたくてエッセイ集を読む。話題は数学者エピソードから数学史、そして数学教育とつれづれに。ギリシャ数学についての章は、中等教育段階のトピックがギリシャ数学史を引きながら解題されていておもしろかった。数学教育についての章は少し物足りなかった。未完であることが惜しい2017/05/31

さわら

2
小林先生の誠実さが伝わってくる良書でした. ギリシア数学については非常によい啓蒙書になっていました. 特にアルキメデスが無限小の扱いの難しさに気づいていた等という所は非常に興味深かったです. また「(数学研究者は)社会に対する返礼として,少なくとも次の世代を育てるための教育に真面目に尽くさなければならない」という言葉は数学に留まらず非常に良い言葉だと思いました.2013/10/27

ケニオミ

2
数学については興味があるので、図書館で見つけて持ち帰りました。数学についての随筆なのですが、数式の部分も多々あり、僕のように数学の素人には正直、とっつきにくい本でした。数学の素養のある人だと本書の価値がよく分かるのではと思います。2013/10/07

ざーく

1
非常に面白い内容だった。数学的な面白さだけでなく、数学がギリシャ時代から今に至るまで、いかにして築き上げられてきたかという歴史的な面白さもあった。大学で習う有名な数学の定理が紀元前にすでに確立されていたり、有名な数学者の意外な生き様死に様を知ることができ、今後数学書を読む時には、「この数学者はあぁだったな」と楽しく読める気がしてきた。2022/07/07

mft

1
一般向けの「なっとくするオイラーとフェルマー」「円の数学」ぐらいしか読んだことがなく、業績などは存じ上げないのですが、遺作となった随筆集ということでなんとなくしみじみとした気分になりました2017/11/19

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