目次
第1章 エジプトから「ネレイデスの墓」まで
第2章 マウソレイオンから異教主義の終焉まで
第3章 初期キリスト教時代と北方中世
第4章 ネルサンス、その前史と後史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
死と葬送の変遷を墓の彫刻に読む本書は、未来の再生を願う「先望的死生観」と過去の業績を称える「回顧的死生観」を区別し、前者の傾向が強い古代エジプトと後者が強い古代ギリシャの対比に始まる。著者は、ギリシャを受け継ぎつつエジプト的死生観を持つエトルリアの影響もあるローマは両者に分裂し、キリスト教的中世では生前の横臥墓像と死後の屍骸墓像によって肉体と霊魂の分離が強調されるという。さらに、生前を称えるルネサンス人文主義を経たバロックでは、死に行く瞬間を永遠化した殉教像(ベルニーニ)が生と死の統合を表すと捉えられる。2019/03/26
ik
4
他の著作同様膨大な作例を紹介しながらその形式の分類と変遷を追い、時代背景に照らしあわせて解釈してゆく。墓碑彫刻研究の基礎になるような大作。図版も豊富に収録されていてとても参考になる。2014/04/12