道化と笏杖

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  • サイズ A5判/ページ数 437,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794931122
  • NDC分類 771.7

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

12
道化の愚行が持つ深層的な意味を、古代の儀式から愚者文学に、キートンやマルクス兄弟等現代のコメディアンの身振りにも着目しながら迫っていく傑作。愚者の両義性は秩序立った世界を撹乱し、そのことによって我々の象徴的生命は脅かされると同時に全体性を回復する。彼らは王の反対者にして密かな分身であり、反転した至上者でもある。最後のキリスト=フール論は刺激的。現代日本の愚者的コメディアンと言えば江頭や志村けん辺りだろうか。バカ殿様は王様でもあるし。現代においても愚者性は喜劇人の重要スキルである2013/03/05

Akito Yoshiue

3
ずっと読みたかった本をようやく入手。一気に読んだ。巻末の訳注をかねたフール小辞典が読解の助けになってくれます。2015/08/06

あかふく

3
フールを見るとき、我々もフールである。そして我々はそのことに気づく。このような過程を辿るフールとの関わりにおいては「感情移入」と「抽象」間の往復運動が行われている。それが「象徴的」(ゲーテ)な素材の理解の仕方であり、またそれゆえ内部の外部、中心の周縁といった場所にあるフールの両義性、曖昧性が認識され、フールは境界に現れる。上の演劇的な比喩の活用において「感情移入」と「異化」の関わりはどうなるのか(巻末「訳注をかねたフール小事典」にはブレヒトの名前がある。またケネス・バークの「複眼の視座」にも本文で言及)。2014/06/27

ぎんしょう

1
非常に刺激的な書であり、ゆえに統一された筋を見つけることは難しい。しかしながら道化という足場に於いてどのような問題を文学や社会に発見することができるか、という点については目を見張るものがある。また読み物としても整っており、「鶏の声」の扱いがニクい。2011/07/15

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