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企業倫理とは何か―石田梅岩に学ぶCSRの精神

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569642147
  • NDC分類 157.9
  • Cコード C0234

出版社内容情報

CSRの精神を石田梅岩の商人道に学ぶ。

「正しい金儲け」とは何か。江戸の商人・石田梅岩が著した『都鄙問答』を読み解き、現代に通じる企業の社会的責任(CSR)を考える。

あらゆる業界の不祥事が明るみにされ、企業の社会的責任(CSR)を問う声が高まっている。コンプライアンスやステーク・ホルダーといった言葉も急速に浸透し始めた。しかし、欧米流の経営を学ぶ前に、日本独自の「商人道」を見直すべきではないか。江戸中期に確立した石田梅岩の「心学」にこそCSRの原型があるのだ。「お客様満足」「利益の正当性」「倹約と正直」「持続可能性」……。本書では、梅岩の著『都雛問答』『斉家論』をひもとき、「資本の論理」と「倫理」のバランスを諄々と説く。

▼もとは農家の出であった梅岩は、十一歳で奉公に出るも長続きせず、二十三歳で再び商家に入る。やがて番頭格に出世し、四十四歳ではじめて商人道の講座を開いた。それは、梅岩が問い、門人が答えるというゼミナール形式であった。その後、講座は全国に広がり、商人たちの倫理観を確立したという。梅岩の思想を知ることにより、喪われていた企業倫理観が取り戻せる好著である。

●序章 企業の社会的責任とは何か 
●第1章 商人道とは―一銭を軽んじない精神 
●第2章 お客様満足―富の主は天下の人々なり 
●第3章 天地自然の理―生成発展の法則に従う 
●第4章 コンプライアンス―不祥事をいかに防ぐか 
●第5章 利益の正当性―何のためのお金儲けか 
●第6章 共生の理念―一人勝ちでは生きてゆけない 
●第7章 倹約と正直―生来の人間の心に返れ 
●第8章 倹約と愛情―自分のためより世界のため 
●第9章 コーポレート・ガバナンス―心の奢りを戒める 
●第10章 ボランティア精神―他者への奉仕こそ生きがい 
●第11章 自得と独創―新しいことは自分で体得せよ 
●第12章 勤勉―骨身を惜しまず夢中になれる仕事とは 
●終章 石田梅岩とその後継者たち 

内容説明

あらゆる業界の不祥事が明るみにされ、企業の社会的責任(CSR)を問う声が高まっている。コンプライアンスやステーク・ホルダーといった言葉も急速に浸透し始めた。しかし、欧米流の経営を学ぶ前に、日本独自の「商人道」を見直すべきではないか。江戸期に確立した石田梅岩の「心学」にこそCSRの原型があるのだ。「お客様満足」「利益の正当性」「倹約と正直」「持続可能性」…。梅岩の著『都雛問答』『斉家論』をひもとき、「資本の論理」と「倫理」のバランスを諄々と説く。「誠実な会社」になるための最良のテキスト。

目次

企業の社会的責任とは何か
商人道とは―一銭を軽んじない精神
お客さま満足―富の主は天下の人々なり
天地自然の理―生成発展の法則に従う
コンプライアンス―不祥事をいかに防ぐか
利益の正当性―何のためのお金儲けか
共生の理念―一人勝ちでは生きてゆけない
倹約と正直―生来の人間の心に返れ
倹約と愛情―自分のためより世界のため
コーポレート・ガバナンス―心の奢りを戒める
ボランティア精神―他者への奉仕こそ生きがい
自得と独創―新しいことは自分で体得せよ
勤勉―骨身を惜しまず夢中になれる仕事とは
石田梅岩とその後継者たち

著者等紹介

平田雅彦[ヒラタマサヒコ]
1931年福岡県生まれ。1954年一橋大学商学部卒業。松下電器産業入社。日本ビクター専務取締役、松下電器産業代表取締役副社長を経て、1997年同社を退任。1993~95年日本監査役協会副会長。1997~2003年産能大学客員教授。企業社会責任フォーラム理事、インテグレックス経営諮問委員、エシックス・マネジメント代表として企業倫理の普及、啓蒙に携わっている。他に、ユニ・チャーム(株)監査役、(株)H.I.S.取締役、(株)PALTEK取締役、大阪経済大学理事、松下国際財団監事など兼任
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

29
自分も丁稚奉公な営業やっていて、お客さんから、こういう機能がほしい、いらない、値段高い、売り方などたくさんアドバイスをいただいた。そこに応えた商品がやっぱり無理しないでも売れた。何のために稼ぐといえば、お互い豊かで楽しい生活が作れるようにやっている。これを忘れないようにやっていきたい。CSRより前に近江商人の三方よしがあり、これを石田梅岩がまとめた。株や暗号資産貯めてる不労所得なヒトには関係ないかもしれない。2023/02/01

ペンポン

3
初版が2005年なので、14年ぶりの読み返しだ。丁度CSRが企業間で騒がれ始めた頃か?何でもかんでもアメリカでやってるからとの簡単な理由で深く吟味もせずに競って導入していた風潮に、疑問と嫌気を感じていた時だった。近江商人の三方良しの思想があるにもかかわらず、同じ内容が米国から伝わると、流石!などと馬鹿なことを言う評論家にも腹が立っていた時だ。もっと日本人は自分たちのことを知る必要がある。2019/07/15

ペンポン

3
佐藤一斎が武士出身であるのに対して商人の立場で企業統治等のあるべき姿を示した人物として読んだ。昔読んだ記憶があるが、再度読んでみた。江戸時代に社会還元やスタークホルダーの大切さを日本人は説いていたことを再認識すべきである。アングロサクソン第一主義で、彼等から言われると飛びついて金科玉条の如く奉るが、良く良く見れば既に日本では数百年も前にやっていたのである。著者もその点を述べたいのだと思う。2019/04/04

森田裕之

2
奉公を辞した後、京都の自宅に、聴講自由、席料無料の看板を掲げて講席を開いた石田梅岩。その教えは石門心学として確立されるが、近年重要性が益々高まるCSRの原型をこの教えに見る。商人蔑視の江戸期に商売で正当な利益を得ることの正しさを堂々と論じ、天地自然の理に従い、家法で自らを律し、他者に奉仕し、勤勉に働くことの大切さを説く梅岩の言葉は確かにCSRの本質を言い表している。この教えを受け継いだ松下幸之助の最後の言葉「従業員は幸せに働いているか」に経営の究極の課題が見える。梅岩の『都鄙問答』を読んでみたいと思った。2015/04/02

はち

2
@80 ここに日本の商道徳の原点がある。今更ながらに騒がれてる企業責任や、ポーターのcsvでさえ根っこは説明できてしまう。心の持ちように、非常に参考になった。2013/12/10

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