農夫ジャイルズの冒険―トールキン小品集

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784566021105
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ゆかいな英雄談や妖精の国に憧れた少女の話など、華麗に花開く、ファンタジーの小宇宙ー。トールキン文学の本質的なものを微細画のようにみせる、珠玉の短編集。●農夫ジャイルズの冒険/星をのんだかじや/ニグルの木の葉/トム・ボンバディルの冒険   

内容説明

よく晴れた、のどかなハム村の夜のこと。道に迷った、まぬけな巨人がやってきた。そこで火を噴く、農夫ジャイルズのらっぱ銃。武勇をかわれたジャイルズは、竜退治に出かけるはめに…。粋で軽快な、明るい笑いにあふれた物語「農夫ジャイルズの冒険」。子どもの祭りのケーキには、妖精の星が入っていた。それを飲んだかじやの息子は、やがてかじやとなり、美しく、機能的な品々を作り出す…。妖精の国と現実世界とのかかわりを描く「星をのんだかじや」。へっぽこ画家のニグルは、「木」の絵の完成を急いでいる。しかし、完成しないまま、定められた旅(死)に出ることに…。人生における芸術的創造の意味と、魂の本質的な救済について語られる「ニグルの木の葉」。『指輪物語』でおなじみのトム・ボンバディルの詩ほか16篇が収められた「トム・ボンバディルの冒険」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

56
読んだのは旧版『トールキン小品集』です。装丁に違いがありますが内容は同じもののようです。農夫ジャイルズの冒険、ほら話でしょうか。なんてことのない農夫ジャイルズがトントン拍子に出世します。トールキンの教養や知識が随所にあふれて、犬や馬など訳者あとがきで気付きました。中世風の挿絵が面白くて好きです。『トム・ボンバディルの冒険』詩集ですが、おもいがけず猫が出てきました。訳者あとがきが詳しくてトールキンへの興味関心をかきたてるものとなっています。当時より多くの作品が翻訳されました、どっぷりつかりたくなります。2022/03/25

ワッピー

31
再読。中世英雄叙事詩の秀逸なパロディ「農夫ジャイルズの冒険」、妖精郷とのきずな「星をのんだ かじや」、画家の遺作「二グルの木の葉」、詩集「トム・ボンバディルの冒険」を収録。ジャイルズと黄金竜の駆け引きにニヤニヤし、かじやの見る静謐な世界や煩雑な生活の中で必死に画業に取り組む二グルの姿に、忘れていた何かを思い出し、しばし現実を忘れました。詩集には、ホビット庄で良く歌われていたものを収録したという想定で、いくつかは指輪物語に引用され、ホビットたちの想像や伝承が物語全体を深める効果を持っているように思います。 2020/05/26

おにく

28
ファンタジーの傑作"指輪物語"や"シルマリリオン"を執筆したトールキンの短編集で、子どもには楽しく、大人には、物語に込められた寓話的な部分に考えさせられます。妖精の不思議な力を手にいれ、祝福された人生を送る"星をのんだかじや"で、人生を振り返った鍛冶屋の男が、意外な選択をするのが、心が澱んだ私はいまいち理解できないでいます。もちろんお気に入りの話ですけど。この本には、自然には人間が侵していけない領域があると畏怖を感じさせ、子どもには、現実世界をやんわりと教えるクッションの役割を果たしてると感じました。 2020/05/07

Shinya

16
指輪物語にハマった小学生時代に伯母に買ってもらった本を再読。 子供向けの作品集ではあるけど、「星をのんだかじや」「ニグルの木の葉」は今読んでもじんとくるものがあった。 2017/07/25

ぱせり

11
二次世界といわれるファンタジーの国とこちらの世界を自由に行き来する道案内について楽しい旅をしてきた気分だ。最後に、こちらの世界に送り届けてもらった気がする。二作目『星をのんだかじや』の美しさが心に残った。2013/06/01

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