内容説明
姫は、自らの好奇心によって眠りにおち、一百年後に予言通り目覚める。彼女を起こしたのは接吻をした王子だったのか?呪いをやわらげた仙女だったのか?それとも―。眠りと救いの意味を問い直し、ハッピーエンドの物語を検証する、斬新なメルヘン論。
目次
野ばら姫と王子
15歳の死
美と富と百年の眠り
暗喩としての野ばら
隠された世界
誰が姫を救ったのか
北欧神話と「ペンタメローネ」
ペローとグリム
ディズニー映画と現代の「ねむり姫」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mikimikimini
2
野ばら姫(眠れる森の美女)の物語の変遷から解釈を試みる本。グリム、ペロー、ディズニーの作品などが取り上げられ、それぞれの作品に、各時代模様が反映されていると論じる。(例えば、ディズニー作品に登場する王子は、アメリカンヒーローのように描かれている。)眠る姫の姿は、男性優先社会における、発言権のない女性の立場の弱さを象徴しているという解釈は面白いと思いました。2014/06/05
mimm
1
童話「野ばら姫」をテーマに、ぺロー版、グリム版、またそれのベースになったであろう古い話、さらには現代のディズニー等を比して、話の変遷を記しています。時代が進むにつれ、話の持つ背景の意味が削がれ、ペラくなった現代版はある意味平和の賜物なのかも。冷静な目で物語を読み、突っ込んでいかれると、おとぎ話の魔法が解けるね!もうみんな、駄目集団にしか見えなくなってます…。2015/10/10
-
- 和書
- 分断されるアメリカ