出版社内容情報
食欲旺盛な読者のために千野教授が腕をふるった言語学のフルコース。文字の話、宮沢賢治の文体論、翻訳論、そして「特別料理エルガティーフ(能格)」、「(外国語学習の)かくし味」、……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
52
昔学んだ言語学。この本を読んだのはいつ以来だろう。言語に関する身近な現象について専門用語をほとんど用いずにわかり易く紹介している。例えば、タイトルのもとになっている『注文の多い料理店』の言語学的な面白さについて。「料理店」と「注文の多い」の関係の曖昧さや、文末が「〜ました、でした、ました、ました、ました」と繰り返しが多いこと。また、言葉のリズムが一定ではないことなど。超久々に言語学にちょこっとだけふれました。2018/12/11
ぽけっとももんが
5
さっぱりなんのことかわからない章もあるけれども、辞書作り、翻訳の難しさなど興味深く素人にも楽しい章も入り混じっている。翻訳で難しいのは固有名詞や地口。そうでしょうとも、翻訳物で駄洒落なんかが出てきたら、これ元はどうなんだろうと思う。苦心したんだろうなとか、やりすぎてんじゃないのとか。そしてバイリンガルになる秘訣は一つ「親を選ぶ」だそうです。納得。2021/03/14