行雲抄

行雲抄

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  • サイズ A5判/ページ数 343p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784418995349
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

白洲正子さんの一周忌を前に編まれた、単行本未収録の作品を多数収めた名文集。知識や先入観を捨て対象と真摯に見つめ続けた白洲さんの、魂の言葉ともいえる数々の文章。

内容説明

知識や先入観が何になる。無心で対象と向き合うことだ。そして、じっと待つのだ。相手が口を開いてくれるまで…。美しい「人・物・事」との出会いを心で聞き綴った“魂”の遺言。一周忌を前に、“韋駄天お正”の面目躍如の名文集31篇。

目次

日記から
憶い出ふたつ
石ものぐるい
進歩?それがどうした
銀座に生き銀座に死す
虚実の皮膜に生きた一生
梅若六郎師を憶う
友枝喜久夫の『江口』
歴史は人間の学
人生の一瞬と見立てて…〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

37
白洲正子氏の随筆集。お能の話などが難しく拾い読みになった。美術評論の洲之内徹氏に対し、自分の事しか語らないところが良いと評価する。あの内省的な語りは私も好きだ。戦前、滋賀の聖林寺で住職からフェノロサの逸話を聴く。軽いのに枯れたやり取りが印象的。著者の住む鶴川から町田、多摩ニュータウンへの紀行文は、身近なエリアの来歴が意外だった。老境の作品ではロックを刹那的だと否定する。新しいものの個性が魅力になるまでの拙さを、著者が知らない訳はない。年齢がそう言わせるなら自戒したい。反面、それもまた人生かと思った。2023/04/17

coco.

2
抄と付く著者の類似本があるので、シリーズものかと思いきや、雑誌、刊行された文庫から抜粋されたシリーズものでした。著者が女流舞手ですので、謡曲を筆頭に歌人、茶碗、交流のある文人、職人との日々等、多岐に渡り侘び寂びが味わえます。花がたみを聞くと、私の初見は上村松園の照日の前でしたので、読みながら絵が連想されました。能面を見本に描かれているだけあって、無機質だけど、どこか妖艶だったことを覚えています。形見(かたみ)と筐(がたみ)の表記が異なるらしいのですが、掛詞になっているとしたら、ロマンチックで素敵。2012/07/06

amanon

2
これまで読んできた著者のエッセイ集に比べ、仏像を巡る紀行記が多く収めてあるのが、印象的だった。とりわけ滋賀や福井など、どちらかというと地味な印象のある土地についてかなりの頁が割かれているのに興味が惹かれる。日本にはまだまだ、人に知られていない貴重な文化財があるのだと。最もそれらのエッセイが書かれた時代からかなりの年月を経た今は、事情は大きく異なっているのだろうけれど。それから終盤で、倭建命や継体天皇など、悲運な生涯を送った人達を扱ったエッセイも味わい深い。著者の筆の冴えが味わえるエッセイである。2012/04/25

ゆりっぺ

1
1999年11月19日

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