岩波現代文庫<br> 古代東アジア世界と日本

岩波現代文庫
古代東アジア世界と日本

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 274,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000257
  • NDC分類 220
  • Cコード C0122

出版社内容情報

中国と朝鮮・日本・ベトナムは漢字を共有し,それを媒介に儒教・律令・漢訳仏教などの文化を享受した.著者はこの自己完結的世界を「東アジア世界」とよんだ.著者の発想の根本を確認し,東アジアと日本の歴史像を考える.

内容説明

古代より中国と朝鮮・日本・ベトナムは漢字を共有し、それを媒介に儒教・律令・漢訳仏教などの文化を享受した。著者はこのような文化圏と政治・外交システムが一体になった自己完結的世界を「東アジア世界」とよんだ。この東アジア世界論の根底には日本の歴史を世界史的観点から理解しようとする企図があり、それは東アジア前近代史研究の理論的枠組となった。著者の発想の根本とそれが生まれた時代状況を確認し、東アジアと日本の歴史像を考える。

目次

第1章 序説―東アジア世界の形成(「東アジア世界」の設定について;「東アジア世界」の形成過程;「東アジア世界」の形成とその推移)
第2章 東アジア世界と冊封体制―六‐八世紀の東アジア(問題点の所在;中国王朝と東辺諸国との関係の推移;結語―冊封体制について)
第3章 東アジア世界と日本史(序説―世界史的観点の導入;漢字文化圏の成立;冊封体制と日本;騎馬民族征服説について ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみかみ

4
漢字、律令制、儒教、漢訳仏教を共有する「東アジア世界」文化圏という視座から同地域の歴史を捉え直す。唐滅亡~五代十国の王朝交代、渤海国や新羅の滅亡、日本における平将門や藤原純友の乱までが近い年代で連動しているという見方は重要だと思った。そして江戸時代の儒学者の思想が実際の中国の在り方と乖離していき、それが明治以降の日本にも影響を与えているというのはどこか恐ろしくもある。2020/01/18

Minoru Takeuchi

1
冊封体制、、、はじめてこのことばを目にしました。この意味を知っただけでも大感動です。ここ2、3年司馬遼太郎の本や日本歴史関係の小説などで日本のこれまでの立ち位置について勉強するとともに、新たな疑問が色々わいてきたのですが、本書で、、、、おおおおお納得できた点が多かったです。6世紀前と足利義満の日明貿易以外の時は日本は中国の冊封体制に入っていないのです。なるほど。。。日本辺境論(内田樹)の話やなんで幕末、明治に尊王攘夷論の考えも結局開国欧米猛追に移行したか。少しわかってきました。2014/12/17

とよこ

1
最初はなかなか乗れなかったんだけど、三章がすごくわかりやすくて面白かった。東アジアの動静から日本社会が受けた大きい影響というと、ぱっと浮かんで来るのは律令制の導入と元寇の煽りで鎌倉幕府が潰れたことくらいだったんだけど、それ以外の時期も常に中国を中心とした東アジア世界の影響を受けていた、というのが一つ一つ説明されてて目から鱗。こういう本ちょっと賢くなった気になれて楽しい。2012/02/09

陽香

0
200607252012/03/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/228692
  • ご注意事項