出版社内容情報
“科学的に考える”とは? 一線で活躍する宇宙物理学者が,研究の方法,最新のサイエンス・トピックを紹介し,オウム騒動などの事件を読み解きながら,社会と科学の関係,理科を学ぶ意義を若い人たちに向けて熱く語る.
内容説明
“科学的に考える”とはどういうことだろうか。一線で活躍する宇宙物理学者が研究の方法、最新のサイエンス・トピックを紹介し、オウム騒動や薬害エイズなどの事件を読み解きながら、私たちの社会と科学の関係について考え、転回の時代に理科を学ぶ意義を若い人たちに向けて熱く語る。文科系の人も必読の本。
目次
1 私にとっての科学
2 科学の考え方
3 科学はどのように生まれたのか
4 現代の科学と科学者を考える
5 二一世紀の科学と人間
6 未来を担う君たちへ
著者等紹介
池内了[イケウチサトル]
1944年、兵庫県に生まれる。京都大学理学部物理学科卒業。現在、名古屋大学大学院理学研究科教授(理学博士)。宇宙論、銀河物理学を専攻し、宇宙や銀河の進化についての研究をつづけている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
著者の生き様を学ぶ庵さん
40
息子のセレクト本。宇宙物理学者の著者が宇宙物理学を志した理由から、科学者の考え方、科学史、現代・未来に対する科学哲学、読者である中高生へのメッセージまで。象牙の塔の更に狭い部屋に籠もる学者先生とは違う。なんとなく将来は学際的な寺田寅彦タイプになりそう、と思ったら、寺田寅彦に関する本を書いていた。びっくり。2017/01/15
たかぴ
27
[図書館本]子供の頃に読みたかった。現象→物体の運動→法則。目の前にあるものは全て最小の原子(粒子)の動きであり、波であることを気付かさせてくれました。仕組みが判らなくても不自由しない世の中であるが科学が使われている事実を子供に知ってもらって興味を持ってほしい。そして、科学は完全に解明をされていないということを認識して謙虚に今までの解明された常識にとらわれないようにします。ありがとうございました。2021/06/12
よみこ
15
『フランケンシュタインの誘惑』という番組は、科学の発展の裏にある闇の歴史を扱い、毎回目から鱗の思いで観ている。確か「水爆の父」と呼ばれるエドワード・テラーを扱った回で、著者が解説者として出ていた。天才的な科学者が、取り返しのつかない大事件を起こすようなことが繰り返されるのはなぜか。科学に携わる人はこの本を、科学に“手を染める”前に、読むべきだと思った。この本は科学者の責任と限界を知ること、巨大化し難解さを極めていく科学研究に、人や社会との関わりとその意義を忘れないことの大切さを易しく教えてくれる。 2021/09/24
おはなし会 芽ぶっく
15
息子が借りてきた本。科学の基本的な考え方や実験の留意点、どのように生まれ発展してきたか、そしてそれをどう学べばよいのかを紹介しています。2020/01/11
spica015
11
科学に対してどう向き合うかを分かりやすく導いてくれる1冊。20年以上も前の著書なので、当時最新のトピックは古びて見えるが、相変わらず擬似科学が蔓延り、STAP細胞のような騒動が起きていることを踏まえると、現在でも十分通用する内容となっている。著者が念頭においているように、所謂理科系だけでなく、文科系にとっても示唆に富むところが多い。確かに研究の進め方・アプローチ方法の大枠というのはそれほど変わらない。歴史学でも考古学か文献学か美術史かで全くスタイルが違うのだから、あえて文理2つに分けるのもおかしな話だ。2019/07/15