岩波新書
音から隔てられて - 難聴者の声

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004150183
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C0229

出版社内容情報

本書は,「卑屈でみじめな障害者から自立する障害市民へ」と立ち上がる難聴者福祉運動のなかから生み出された.薬害,病気,その他の原因によって,聾唖,難聴,中途失聴という不幸な運命に見舞われた人々の,内に秘められた生活の苦しみと,医療,教育,職場,福祉行政などの現在のあり方に対する切実な要求とを綴る.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

58
中途失聴・難聴者となった人々の手記。発行は75年だが、抱く孤絶感は現代にも通じるものかと思う。結核治療薬の薬害難聴が決して珍しくなかったことや、高度経済成長期の製造、運輸業等がもたらす騒音が多くの失聴・難聴者を生み、顧みられなかったことを覚えておきたい。2022/05/22

Francis

8
難聴者の手記をまとめたもの。自分も難聴者で、この様な本はなかなか見当たらないので、同じ難聴者の境遇を知ることが出来たのは嬉しかった。補聴器の進歩など改善された点もあるけど、社会の難聴者への無理解は当時と変わってないようだ。とは言えこの本に出てくる人たちの頑張りにより、状況が以前よりも改善されたのは確か。願わくは難聴者のことを書いた本がもっと沢山出て欲しい。2014/03/16

Shun

7
「聴覚障害はすぐれて社会的な障害である。」難聴者の自分に共感する内容が多かった。 聴覚障害だというと、縁談が破談になる、筆記試験は優秀でも面接になると「駄目だこれは・・・」という反応をされ、悉く採用試験から落とされる。同じ聴覚障害でも、聾者による難聴・中途失聴(中途難聴)者の差別さえある。 喋れるし、凡そ聴こえるから大丈夫という考え方が巷で席巻しているが、大きな誤解である。 昭和50年出版であるが、平成29年でもまだ通用する。悲しい哉、それだけ国民の理解や福祉が進歩していないことの証左かも知れない。2017/04/26

シンドバッド

7
私は、失明に対する恐怖感が強いが、本書を読むと中途失聴者の厳しさを知った。また、ストレプトマイシンの副作用など、恥ずかしいことに、知らない事が多かった。あまり現代は、クローズアップされる事が少ないが、状況は?と、考えさせられる。2013/10/07

ぞるば

2
ずいぶん昔の話に思うけれど、たかだか40年前。そして、現在の状況も大元はそんなに変わっていないようにも思える。聞こえないと、ほとんどの場合音声が中心となるコミュニケーションから疎外されてしまう。言いたくても(議論の流れがわからないから)言えない、聞こえないうちに物事が決まってしまう、というのはやりきれない。薬害に対するユルさもひどい。権利運動ってたいへんだけど大事だと思いました。2017/10/19

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