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数学は工学の期待に応えられるのか

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  • サイズ A5判/ページ数 235p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000055260
  • NDC分類 501.1
  • Cコード C0041

出版社内容情報

工学では数学は道具だといわれる.一方,工学は数学として新しい問題を生みだす宝庫だ.はたしてこのことは,どこまで数学者に意識されているのか.数学者深谷賢治氏との対談をふくめ,ロボット工学の最先端で活躍する著者が語る.

内容説明

工学にとって、数学は道具である。しかし、そもそも工学で期待される数学とは何だろうか。物理学で期待される数学とはかなり違う。工学は、物理のように自然のなかの根本原理を明らかにしようという学問ではないからである。いろんな制約条件のもとで、最適な答えを出すのが工学の目的だ。すなわち、工学は、いわば文脈依存的にならざるを得ないのである。本書によって、工学の中に新たな数学的構造を見出し、新しい学問分野を開拓できる数学研究者群が生まれることを期待したい。

目次

1 数学が工学に出会う場
2 通信・ロボット工学のなかの数学(情報理論、符号理論、そして可積分系;最適化とアルゴリズム;正実関数とパッシビティ;パッシビティと線形システム理論;ロボットの運動と非線形微分方程式;感覚フィードバックによるロボット制御;物体把持の幾何学;ロボットハンドの運動方程式と多様体;人の手指の巧みさと多様体上の安定解析)

著者等紹介

有本卓[アリモトスグル]
1936年生まれ。1959年京都大学理学部数学科卒。沖電気工業(株)に就職し、その後、東京大学工学部助手、大阪大学基礎工学部機械工学科教授、東京大学工学部計数工学科教授を勤める。現在、立命館大学理工学部ロボティクス学科教授。専門は、情報理論、制御理論、ロボット工学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

slip001

3
ロボティクスや制御理論が御専門の有本先生とリーマン幾何やゲージ理論が御専門の深谷先生の対談本。数学は元来物理学から数学的構造を見出すことが多かったが、工学からも面白い問題や数学的構造がありそうだと思わされた。また、数学的にはもちろんだが工学的にもε-δ論法が有益であること、微分方程式は解いたらだめで、解かずに安定性等がわかることが大事であることを工学の方がおっしゃっているのは興味深かった。後書きにあるように、工学者と数学者が自然に共同研究する場が増えればお互いに良いのにという考えにはひどく共感を覚えた。2013/11/12

つかさちゃん

2
工学部の学生には必ず読んでほしい本で、このようなハードカバーに収めるのではなく、中身を少しコンパクトにまとめ、ブルーバックスなどにするのが理想ではないかと思う。パッシビティ(passivity)の話は初めて知った。2014/09/27

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