内容説明
パリの「国際哲学コレージュ」における講義で、ネグリを待ち受けていたのは、「帝国主義の手先」「裏切り者」と糾弾する聴講生たちの声だった。ネグリの「EU憲法」支持表明によって、混乱は頂点に達する…。本書は、「怒れる聴衆」との激烈な議論を経て、ともに“新たなる民主主義”をめざすために、世界の変容に即した政治概念の再定義をめざしたものである。
目次
序文―新たな政治の文法づくりの“工房”として
近代/ポスト近代の区切り
マルチチュードの労働と生政治的組成
グローバリゼーションと集団的移動―平和と戦争
公と私を超えて―「共」へ
マージナルな抵抗としての「ポスト近代思想」批判
差異と抵抗―ポスト近代の区切りの認識から、来たるべき時代の存在論的構成へ
抵抗の権利から構成的権力へ
ガバメントとガバナンス―「政府形態」の批判のために
決定と組織
共通の自由の時間
結び―マルチチュードを形成することは、新たな民主主義をつくることである
著者等紹介
ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
通称:トニ・ネグリ。1933年生まれ。イタリアの思想家。イタリア・パドヴァ大学政治学研究所教授をしていた1970年代、「アウトノミア」運動の理論的リーダーとして注目される。79年、モロ元首相暗殺事件で容疑者として逮捕(冤罪)。83年、獄中から国会議員に立候補し、当選。議員特権により釈放されるが、2か月後、議員特権が剥奪されたため、フランスへ亡命。パリでは、ガタリやドゥルーズなどの支援を受け、パリ第8大学などで教鞭を執り、執筆活動・政治活動にはげむ。97年、自発的にイタリアに帰還し、空港で再逮捕。現在は、イタリアでの刑期が終わり自由の身となっている。2000年に発表した『帝国』が世界的な注目を浴び、地球を2周するほどグローバルな講演活動を行なっている
杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年、静岡県生まれ。名古屋大学文学部大学院(仏文科)修士課程修了。フランス文学・思想専攻。現在、龍谷大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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