理系人に役立つ科学哲学

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  • サイズ A5判/ページ数 261p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784759814323
  • NDC分類 401
  • Cコード C1040

内容説明

科学哲学と科学者をむすぶ新しい入門書。実験・観察、推論、説明、検証といった科学の「いつもの活動」を見つめ直す。

目次

1部 科学の基礎を哲学する(科学と推論―科学で使う推論は問題だらけ?;科学の条件―科学と非科学はどう分けられるのか?;科学と反証―科学理論は反証できない?;科学の発展―どんな科学理論が生き残るのか?;科学と実在―原子って本当にあるの?)
2部 科学で使われる概念を見直す(説明とはなにか―説明を説明するのは難しい?;原因とはなにか―本当の原因はなに?;法則とはなにか―法則はなぜ法則なのか?;確率とはなにか―確率は主観的なものか客観的なものか?;理論とはなにか―科学理論はうそをつく?)
3部 現代科学がかかえる哲学的問題を知る(量子力学の哲学―ミクロな世界は非常識?;生物学の哲学―進化論は科学か?)

著者等紹介

森田邦久[モリタクニヒサ]
1971年兵庫県生まれ。1994年大阪大学基礎工学部物性物理工学科卒業。2003年博士号(理学)取得。2003年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程入学。2007年博士号(文学)取得。2008年より早稲田大学高等研究所助教。専門は科学哲学。おもな研究テーマは「現代物理学の知見を用いた時間の研究」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ひだりかわ

5
「理系人に役立つ」とある通り、科学研究で普段使われている推論や言葉を、哲学的に考察している。実際の科学の現場がよくふまえられているように思われるが、科学者が直観的に捉えている推論や言葉をしっかりと定義するというのはなかなか難しいというのがよくわかる。これは哲学一般に言えることかもしれないが。個別には、確率の問題、量子力学の問題などについて、まだまだこれから発展する余地があるように感じた。一方、科学研究者の活動を解釈する4章などは、やや社会学的に感じられ、あまり興味が持てなかった。2011/07/18

minochan

4
アブダクションによる原因推測の「確からしさ」を評価するツールとしてベイズの定理が使えることが理解できた。またポパーの反証可能性に対する「ある理論の完全な反証は不可能では?」という反論に対して、「確らしさが実験や観測で変動すればその理論は科学的である」という提案は面白いと思った。自分にとって既知のワードが有機的につながる感覚が嬉しかった。2023/12/30

三色かじ香

3
科学と科学でないものの区別をどう説明すればいいのか、という観点が一番興味深かったです。自分には納得しきれない説明はあるが、哲学に初めて触れた身としては、科学哲学の目的が分かって、そういう目的で物事を考えるのは面白いと思いました。2017/03/15

ソーシャ

3
理系の人向けに科学哲学の考え方を概説した本。図を用いて分かりやすく説明しようとはしているのですが、それでももともとの内容のせいか結構難しく感じられるところがありました。入門書としては伊勢田先生の『疑似科学と科学の哲学』の方がいいかもしれませんが、こちらは具体的な科学の営みを例に出していたり、扱っているテーマも少し違っているのでまた違った味わいがある入門書だと思います。2014/10/03

もき

3
科学哲学の入門に非常によい書。科学を定義・解釈するそれぞれの理論を教科書的に浅く広く説明しているし、なおかつ例も豊富で直感的に(=なんとなく)理解しやすい。ただ、「理系人に役立つ」かというと、全くもって役に立たないと思う。現場は哲学的思考を求めていないし。2011/08/10

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