感想・レビュー
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3
マルコポーロ『東方見聞録』、玄奘『大唐西域史』とともに世界三大旅行記とされている(らしい)慈覚大師円仁の旅行日記。佐伯有清『最後の遣唐使』を読んで原本を読みたくなった。当時の記録を知る貴重な資料であるが、本文が漢文読み下しの他、注、補注が多くなかなか一筋縄では読めない。興味深かった記述は「普請」のもとの意味。もとは施主があまねく僧をまねき斎(食事)を施すことをさした。すべての僧を作務に従事させる意で用い、他の力で(を借りて)造作することに用いられ、後に建築することを呼ぶようになった。(p.294)2012/06/16