筑摩選書
関羽―神になった「三国志」の英雄

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015280
  • NDC分類 289.2
  • Cコード C0395

出版社内容情報

「三国志」の豪傑は、なぜ商売の神として崇められるようになったのか。史実から物語、そして信仰の対象へ。その変遷を通して描き出す、中国精神史の新たな試み。

内容説明

世界各地のチャイナタウンには関帝廟があり、そこには関羽が商業の神として祀られて、華人たちの心の拠り所となっている。「三国志」の武将が、なぜこのような信仰の対象となったのか。「義」「信」を尊ぶ中国人の精神との関わりを手がかりに、歴史上の一人物である関羽が、「義」「信」を体現する象徴へと大きく変貌を遂げるまでを描き出し、中国の民衆が関羽に託した思いを探る。

目次

第1章 関羽と二つの「三国志」
第2章 武
第3章 義
第4章 聖
第5章 武神
第6章 財神
第7章 儒神
第8章 「義」のネットワーク

著者等紹介

渡邉義浩[ワタナベヨシヒロ]
1962年東京生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。現在、大東文化大学文学部教授。専門は中国古代史。三国志学会事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kokada_jnet

74
明末にはじめて「関帝」となり、明朝も反乱軍の李自成も、明を倒した清朝も関羽を軍神として信仰していた。清朝も山西商人とのむすびつきがあり、関羽を国家の守護神とする。乾隆帝は「三国志」の記録を改竄までして、関羽の忠義を示す。清に反乱をおこした天地会も関帝信仰をしていた。2023/02/12

Die-Go

37
図書館本。『三国志演義』における偉大な英雄関羽雲長が、正史『三国志』では粗雑な扱いを受けつつも、いかにして後に神として崇められるようになったのかを追う。「義絶」であるところが何よりもその要因であるが、霊験あらたかなことも信仰を集める大事だったようだ。★★★★☆2023/02/26

テツ

18
現代においても関帝聖君として世界各地の関帝廟で祀られている関羽。三国志の世界を生きた劉備の配下であり義兄弟であった彼が何故神として祀られるようになったかという大まかな流れを学ぶことが出来る。古の中華の心。人のもつ美しく鮮烈な何か。義と武を体現し(勿論史実ではない創作が占める割合も多いと承知はしているけれど)貫き生きた関羽が神として今でも存在しているという事実に何故か感極まりそうになる。人は神として存在し続けることが出来る。2017/05/31

ジュンジュン

8
現在中華街に鎮座する関帝廟。武力では呂布に劣り、指揮官としては曹操に敵わない武将関羽が、どうして神様(それも商売の)になったのか?に答えてくれる本書。星の数ほどある三国志関連本の中にあって、著者の作品は常に新たな刺激を与えてくれる。宋から清までは塩の専売を通じて山西商人(関羽の故郷)と国家が強固に結びつき、王朝崩壊後も"義"を通して華僑や民衆の間に信仰される様を分かりやすく描く。2020/01/23

ようはん

7
関羽がいかにして神格化されていったかを主題としている本。商売の神様としてのイメージも強いがこの辺りは宋代から清代にかけて力を持っていた山西商人が郷土の英雄である関羽の神格化に尽力した背景がある事が分かった。2019/08/23

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