水底フェスタ

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  • サイズ B6判/ページ数 363p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163807706
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

狭い日常に倦んだ広海は村への復讐に戻ってきた由貴美に惹かれるが、彼女が真に求めるものは……。そしてフェスの夜に事件が起きる。

内容説明

村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。辻村深月が描く一生に一度の恋。

著者等紹介

辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

370
初読。ダムに沈んだ故郷の村を懐かしむノスタルジックな青春小説を想像したら大間違い。停滞した閉鎖的なムラの書き方に厚みがあり、古い街の古い家育ちの私には嫌な汗が出てきた描写が沢山あった。最後は不正が明るみに出るところまで見たかった。作者は田舎の秀才で人と自分は違うと自覚している10代の主人公の書き方がお上手。だけど真逆のタイプを主人公に据えた作品なんかも読んでみたい。2013/01/20

ダイ@2019.11.2~一時休止

343
エッセイにもあったロックフェスティバルのお話。重い雰囲気でも最後が気になって一気に読めてしまった。2013/12/16

takaC

343
グイグイ読んだが何とも救いの無い結末だった。物語は面白かったが、広海も由貴美も達哉も、顔姿のイメージがいまひとつ素直にできなかったのが残念。2012/01/09

風眠

317
ロックフェスを誘致したことで村興しに成功した田舎が、この物語の舞台だ。そこに村出身の女優が帰ってきたことで、慣例となっていた村の有力者たちのお金がらみの不正が明らかになっていく。小さな村という独特な雰囲気だからこその隠蔽と、落ちたら二度とは浮かんでこない沼と、狭い社会の中での人間関係と。まさに「水の底」にいるような息詰まる感じが漂っている作品。泥と藻がぬめっと絡み付いてくるような、嫌~な感じがまとわりついている。2012/08/24

くろり - しろくろりちよ

284
辻村深月が書く、一生で一度の恋。多くの謎を残しながらも、沈む村の雰囲気は完璧。いろいろな利害関係が絡み合いながら、振り返ってみればただ純粋にお互いを求めただけだと気付いた恋。二人が出会った場所、一つの集落が沈み足を踏み入れると助からない、死体すら上がらないというダム。この場所こそが二人の運命のメタファーとなっている。村ぐるみの汚職、家族ぐるみの隠ぺい、どこからでも光っている知らない目。この場所を憎んだ由貴美は永遠にここに沈み広海はこの閉塞した世界を潰し出て行く。広海に残った由貴美の信念が消えないように。 2012/10/05

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