内容説明
歌舞伎はどんな芸能で、どのように鑑賞すればよいのか?『忠臣蔵』『四谷怪談』など主要な十演目を年代順に取り上げ、成立した時代背景や見どころ、作劇法などを論じるほか、歌舞伎の重要な要素である「舞踊」についても詳しく解説し、総合芸術である歌舞伎の実体を立体的に浮かび上がらせる。江戸の世相や民意を反映して歌舞伎が発展した様を追いつつ、作品の底に流れる日本人のメンタリティーにまで鋭く迫る。歌舞伎の研究・台本作りにも携わった経験をもつ著者が、歌舞伎の真髄を綴った、格好の入門書。
目次
第1章 お約束のヒーロー登場―『暫』
第2章 光源氏の末裔―『廓文章』
第3章 身替わり劇のメカニズム―『菅原伝授手習鑑(寺子屋)』
第4章 人間を省みる動物ファンタジー―『義経千本桜(四ノ切)』
第5章 あなたは本当の「忠臣蔵」をご存知ですか?―『仮名手本忠臣蔵』
第6章 任侠の原点―『夏祭浪花鑑』
第7章 道具によるモンタージュ―『楼門五三桐(山門)』
第8章 メルヘン舞踊の粋―『積恋雪関扉』
第9章 和製ホラーの女王―『東海道四谷怪談』
第10章 幕末版「俺たちに明日はない」―『三人吉三廓初買』
著者等紹介
松井今朝子[マツイケサコ]
1953年京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了。松竹株式会社に入社し、歌舞伎の企画・制作に携わる。退社後フリーとなり、故・武智鉄二に師事して歌舞伎の脚色・演出・評論などを手がける。97年『東洲しゃらくさし』(PHP研究所)で小説家としてデビュー。同年『仲蔵狂乱』(講談社)で第8回時代小説大賞を受賞。2007年『吉原手引草』(幻冬舎)で第137回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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