中公新書<br> 王政復古―慶応3年12月9日の政変

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中公新書
王政復古―慶応3年12月9日の政変

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  • サイズ 新書判/ページ数 344p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121010339
  • NDC分類 210.61
  • Cコード C1221

内容説明

徳川幕府の政権奉還ののちも、岩倉具視や西郷隆盛らによる真の朝廷政権樹立の画策が進められた。慶応3年12月8日、薩摩・土佐藩など5藩士は岩倉邸に集合、翌日のクーデター断行が告げられた。その後、席を朝議の場に移して、激論は9日朝におよぶ。この朝議がはねて間もなく、王政復古の大号令が渙発された。これより戊辰戦争の戦火が立ち昇る。それぞれの思惑を秘めて時代の大転換期に臨んだ人々の動きと、歴史的意義を検証。

目次

序章 王政復古・前史
第1章 慶応3年の政治社会
第2章 慶応3年の春、そして夏へ
第3章 慶応3年の夏
第4章 慶応3年の秋
第5章 慶応3年の冬
第6章 王政復古の日
結語 王政復古の宣言、あるいは近代日本の出生証

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

57
格調の高い文章で幕末の焦点を語る逸品。特に慶応3年の詳細な記述はいろいろ考えさせられるところもあり、この時代を知るための基本図書と言っていいと思う。キーワードとして「決断」が大きな意味を持つと書かれているが、なるほどと膝を打った。また、討幕の密勅の評価も論理的で、偽勅であったとしても、それが重要な意味を持つことを論じている。公議政体を巡る薩土同盟と、武力倒幕の関係、また西郷ら武力討幕派が大政奉還が失敗すると見てそれを支持したなどの見解も面白い。フィクサー岩倉具視については、もう一度学び直したくなった。2021/04/18

YuiGaDokuSon

21
王政復古までの武力討幕派と慶喜を中心とする一会桑、朝廷、それを取り巻く廷臣の駆け引きがこれほどまでにすごいとは思わなかった。王政復古を所謂「クーデター」であり、これが薩長(特に薩摩)にとって藩運の賭けであったことを知ったのは磯田さんのテレビ番組であった。その詳細をより知りたいと思い、本書を手に取った。それぞれの派、藩の動きや思想の動きが非常に詳細であり、文章は若干読みづらいが非常に分かりやすい。2018/11/08

樋口佳之

21
資質を一口でいえば、いわば決断主義をともなう創造的な政治指導である。この資質が、西郷・大久保または木戸・広沢および岩倉をして、武力討幕を構想させ、これを推進させ、そして、国家構築の指導者たらしめた。武力討幕を主張しこれを実践したから武力討幕派なのではない。決断主義をともなう創造的な政治指導の担い手が、慶応三年の政治社会に自己を表現して、その結果が武力討幕2018/06/18

coolflat

14
幕府、雄藩、公家、それぞれの動きを通じて、最終的に『王政復古』へとどう収斂していったのかが分かる。王政復古に至る幕末の動乱は、ペリー来航から数えて15年にわたった。だが一口に幕末の動乱といっても、ただ同じ内容のそれが続いたというのではない。節目となる事件が発生する。それは以下の4つの時期を経て推移した。まずペリー来航(1853)から桜田門外の変(1860)まで。次に桜田門外の変から禁門の変(1864)まで。次は禁門の変から第二次長州征討(1866)まで。そして第二次長州征討から王政復古(1867)までだ。2017/07/26

ごん

10
王政復古についてのとても面白い一冊です。ペリー来航から日本の政治の主導権を巡る抗争が行われてきましたが、その到達点として王政復古のクーデターが行われます。では新政権はどこまで復古して政治を行うかということになるのですが、なんと神武天皇まで遡ることになってしまいます。それは日本の今までほぼ全ての歴史(武家も公家も全否定!)を見直すことに等しいため明治維新があれだけど過激な改革になったのでしょうね。王政復古は日本の在り方を根こそぎ変えた日本史の一番重要な転換点と言えます。2023/02/12

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