岩波新書<br> なぜ働き続けられない?―社会と自分の力学

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岩波新書
なぜ働き続けられない?―社会と自分の力学

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004317562
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0236

出版社内容情報

働く女性は全体の半数近くを占めるのに,本人が望んでも働き続けられない.当事者の声とともに現状を問う.

はじめに


I いま,起きていること

1 男女共同参画と女性活躍推進のはざまで
 部署名が変わる/経済政策と位置づける限界/変化の兆し/世界の共通目標「ジェンダーの平等」/社会に浸透したのか
2 「参画」理念は息づいているか
 男女の個人の尊厳/固定的な性別役割分担
3 データから見る働く女性の実情
 高い女性の非正規雇用比率/一人一人が個性と能力を発揮/どのようにして正規雇用になったのか/「男性と同等の雇用環境を」/一般職女性は「活躍」の対象外?/賃金に現れている格差/男性発信型の制度


II 男女雇用機会均等の時代

1 「一九八五年」はターニングポイント
 ジョージ・オーウェル/男性に限定,男性と区別/使用者側と労働側の議論/採用,配置,昇進などが努力義務に/失望の声/男対女のせめぎあい
2 コース別雇用管理制度の登場
 「平等」を使いわけ/総合職と一般職/コース別に名を借りた男女別管理/続く男性スタンダード
3 均等法時代のシンボル,総合職女性
 総合職女性をめぐっての混乱/中間職の登場/残っている差別感覚/電話に出ると「男の人に替われ」
4 “家庭”に
 結婚,出産で退職/「特別な人」でないと続かない/家事・育児は男性も巻き込んで,が未成熟


III 「家庭を維持するのは私」という生き方

1 出産後
 「次代を担う者」を育てる/機が熟していなかった/「賛成反対」か,「同感するしない」か/第一子出産後はパート・派遣へ
2 夫の育児参画
 夫は「午前」,妻は「午後」/負担が大きかった迎え担当の妻/保育所への送り迎え/世代間にバラツキ/“性別社員分離”の構図とは/「家事育児も半分半分に」
3 新たな主婦論争の可能性
 「外さん」が出始めたころ/「主婦の自由」を謳歌?/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ/女性の社会進出が少子化をうながす?/「適齢期」をどう受け止めるか/経済団体からの提言


IV 女性が活躍できる社会か

1 三〇年経ても男女間格差
 活躍できない/雇用管理区分ごとの平等/格差の原因/「女性活躍」は本気か?
2 企業による女性社員の活躍推進
 企業が試みていること/中小企業が女性の活躍をうながすきっかけ
3 女性は管理職になりたくない?
 重くのしかかる性別役割分担/管理職志向と職場環境/社会保険制度,配偶者控除が就労を抑制/管理職志向の低さは「作られたもの」か
4 何が影響しているのか
 なぜ仕事を続けられないのか/女性も多様であることを重視/育児休業の取得と昇進/育児が昇進の妨げになる女性活躍推進とは?
5 親の介護
 母を老人ホームへ/介護も妻の負担が大/女性への依存を前提にした男女平等社会


V 活躍推進時代の影

1 男女間格差のルーツをたどる
 独立とは「経済的独立」/明治の経営者の証言/女性は「温順親切」「綿密丁寧」?/堤清二の証言
2 女性の貧困
 困難に直面している人たちの暮らし/背景に非正規雇用問題/母子世帯の預貯金額/男性より低い女性の再婚率/困難の「複合化,固定化,連鎖」/「女性は経済的な自立を必要としない存在」?
3 高齢者の貧困
 高齢社会は「女性社会」/ひとり暮らしの高齢者の経済不安/第2号被保険者への適用へ/求職者の事情に合わせて働ける社会になったが……


VI 新たなステージに向けて

1 「自らの意思」の大切さ
 「自らの意思」とは/「自らの意思」で選んだ生き方/労働力不足が解消したら,どうなる?
2 古くて新しい課題「固定的な性別役割分担意識」の解消
 自分は専業主婦が夢?/「男性が主で女性が従」/末の子の年齢が低いほど,重い妻の負担/ヨーロッパでは/日本型男女共同参画/仕事,家庭「どちらも」/地方自治体の緊急課題
3 「男女共同参画の視点」をあらゆる分野に
 被災地から学んだこと/避難所のあり方/固定的な性別役割分担の否定が前提/裁量労働は生活を侵食する?/男女ともに「親などの介護」/「男女」か「すべての人」か/男女二元論に限界?/パートナーシップ制度を採用/パートナーシップ関係にある場合/在日米国商工会議所の意見/プロセスとゴール


おわりに

著者略歴
鹿嶋 敬(かしま たかし)
1945年生まれ.63年,高校卒業と同時に日立製作所国分工場入社.64年7月同工場退社.65年千葉大学文理学部入学.69年卒業,日本経済新聞社入社.編集局生活家庭部長,編集局次長兼文化部長,編集委員,論説委員などを経て2005年から実践女子大学人間社会学部教授.15年から一般財団法人女性労働協会会長.
2005年から17年まで政府の諮問機関,男女共同参画会議議員.第4次男女共同参画基本計画・計画策定専門調査会会長.監視専門調査会会長なども務めた.
著書に『男と女変わる力学』『男の座標軸』『男女共同参画の時代』(以上,岩波新書),『男女摩擦』『雇用破壊 非正社員という生き方』(以上,岩波書店),『恵里子へ――結納式の10日後,ボリビアで爆死した最愛の娘への鎮魂歌』(日本経済新聞出版社),『男女平等は進化したか』(新曜社)などがある.

内容説明

働く女性は雇用者全体の半数近くを占めるのに、本人が望んでも働き続けられないのはなぜなのか。なぜ非正規雇用が多いのか。「女は家に」という意識、育休のとりにくさ、介護の問題など課題は多い。男女共同参画社会の中での「軋轢」を描きながら、当事者の声とともに、未来に向けて提言する。

目次

1 いま、起きていること
2 男女雇用機会均等の時代
3 「家庭を維持するのは私」という生き方
4 女性が活躍できる社会か
5 活躍推進時代の影
6 新たなステージに向けて

著者等紹介

鹿嶋敬[カシマタカシ]
1945年生まれ。63年、高校卒業と同時に日立製作所国分工場入社。64年7月同工場退社。65年千葉大学文理学部入学。69年卒業、日本経済新聞社入社。編集局生活家庭部長、編集局次長兼文化部長、編集委員、論説委員などを経て2005年から実践女子大学人間社会学部教授。15年から一般財団法人女性労働協会会長。2005年から17年まで政府の諮問機関、男女共同参画会議議員。第4次男女共同参画基本計画・計画策定専門調査会会長。監視専門調査会会長なども務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐島楓

69
女性から見れば、日本社会で働くことはイコール女性にとってのリスクになってしまう。こうした本でデータを見ればそれを如実に思い知らされる。男性が作ってきた社会だから女性が働きにくいという事実がある以上、女性は女性の仕事を自分たちで創出するしかないのだろうか。それはそれで差別に当たるのか。いろいろと考えながら読んだ。2019/02/07

アキ

38
男女雇用機会均等法が1985年に成立してから30年以上経ち、女性活躍推進と安倍首相が打ち上げた。女性が立ち上がった1980年代とは違い男性側からの主張であり、育児休暇取得率・男性5%・女性80%、育児取得が昇進に影響を及ぼす可能性がある中どうやって仕事を続けられるのか?男は仕事、女は育児という固定概念はこの30年で相変わらずということ。はじめは新聞記者としてほぼ半世紀かかわってきた著者の言葉は、社会のあり様はそう簡単に変わらないという裏返しのように思える。これからの日本で女性はどのように生きるべきなのか?2019/02/16

おさむ

34
新聞記者、大学教授として男女共同参画を論じてきた著者による新書。1985年の男女雇用機会均等法以降、昨年の女性活躍推進法に至るまでの日本社会の意識や構造変化をわかりやすくデータを多用してまとめている。世の中、フェミニストばかりでもないので、理想と現実の乖離は大きい。ただ、既に子供のいる世帯の7割の女性が働いているというのが日本の現実でもある。政治も、企業も、個人も改善出来るところからやっていくしかあるまい。その第一歩は政治にフランスのパリテ法を真似て、一定数を女性にすることを義務づけるべきだと思います。2019/03/16

きいち

33
著者は日経記者から女子大教員に転じ、政府委員としても長年女性の置かれた環境の改善、そして「男女共同参画」に取り組んできた人。85年の雇均法、93-4年の家庭科の男女履修開始の時代の状態は今から見ると隔世のものだけれど、でも著者からすると道はまだ半ば。本丸である「固定的な性別役割意識」の呪縛からはまだまだ我々は自由ではないのだから。◇なるほど、「男女共同参画」とは、「ジェンダー」を置き換える言葉であったか。きっとこれは、無益な軋轢を避けまず「実」をとりにいくための戦術なのだろうな。正しく力強い妥協か、尊い。2020/02/13

skunk_c

32
ジャーナリスト時代から男女の格差の問題に取り組んできた著者らしい、1985年から現代までの男女格差と、それに関連する様々な問題を整理したもの。性の多様化が認められ始めた現代においては、「男女」という言葉だけでは不十分になりつつあることや、高齢化がこうした問題にも影を落としているなど、いくつか新しい視点を得られた。「自らの意思」で働き方を選べる社会をというのが重要な結論で、この点現代の日本が依然として不十分というのは、こうした性による役割分担を当然視する意識がどこかで再生産されているからではないだろうか。2019/03/31

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