出版社内容情報
官邸、経産省、財務省、日銀、財界、有識者…。誰が、どんな論理で、いかに動いたのか。舞台裏に肉迫!
内容説明
「国家意思」は、どのように政策として形作られ、貫徹していくのか。政府・日銀の歴史的な「共同声明」作成のプロセス、「二」並びの目標数値の出所など。官邸、経済省、財務省、金融庁、日銀、財界、有識者…誰が、どう動いたのか。圧倒的な取材力を誇る著者が、異例の政策の生成過程をつぶさに再現する。
目次
1 二〇一二年一一月~同年一二月(解散;政策ブレインの形成;選挙公約はどのようにつくられたか;政権移行の実相)
2 二〇一二年一二月~一三年一月(スタートダッシュ;デフレ脱却は誰の責任か;アベノミクスの誕生)
3 二〇一三年二月~同年七月(「米国は理解した」;異次元へ)
「アベノミクス」とはなんだったのか
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
108
私は基本的にはアベノミクスというものはないと思っています。マスコミもゴロがいいので使っているのでしょうが。この本ではこの実体を支えている官僚やいわゆる世の中でリフレ派といわれている人々についてのやり取りなどを記者出身の方らしくうまくまとめられています。最後にこの方の本音が出て日本有数の経済学者にアベノミクスは零点だといわせています。2018/03/08
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
104
野田政権が倒れて後を受けた安倍政権。何も決められなかった政治から一転して「金融緩和」「財政出動」「デフレ脱却」を掲げて動き出したアベノミクス。その是非を論じる物ではなく、政権交代後、いかにして「アベノミクス」という経済政策が実行されたかというドキュメント。テレビのニュースで表面しか見ることがなかったけど、政府、官僚、日銀のせめぎ合い。誰がどう動いたのか。政・官僚 ・財のベクトルが一致して初めて「国家の意思」が形成されていくのだなぁ。なかなか興味深い内容だった。★★★★2018/03/29
honyomuhito
49
頭のワルイ中学生のように、政治家と官僚と社長って誰が1番強いんだろ、とか思っちゃったばっかりに、ついこの本を手に取った。 それ見たことか、8割がた何言ってるのかわかんないじゃないか。 えーっと、民主党政権の末期の頃に、民主党に冷たくされて嫌気がさしていた官僚の皆さんが、復活した安倍さんの経済政策に、「アラ!わりとイケるんじゃね⁉︎」つってノリノリになったって話かな。 https://chirakattahondana.com/ドmの調整エキスパートによって、国は回っている/2018/07/30
TATA
45
ドキュメンタリーとしては最高の著作と思います。何より記者さんだけあって文章がお上手。民主党政権崩壊前から周到に準備された異形の経済政策。確かに株価を押し上げるにはストリートの期待を変えさせることに尽きるが、政権交代に合わせたキャッチーな政策推進が当たったとものと理解する。政治手法に対する数々の批判も含めて書ききっている点は興味深い。さて、この未曽有の金融緩和、出口戦略としていかなる幕引きとなるのか。再度ストリートに驚きを与えられるか。2018/09/02
rico
35
大きな政策転換に際し官僚や政治家がどのように動いたのか。何がどう決まったのか。政策の評価そのものはしないという言葉通り客観的な記述に徹しているが、例えば「お役所の作文」の言い回し一つ、句読点一つをめぐって火花が散る。スリリングだ。でも一方、自らの責任をいかに回避するかという姑息さが露骨に見える。想定通りに事が運ばない時にどう収束させるか、なんてことは考慮しない。いつも通りのご都合主義。出口はどーすんだ?そもそも今は、問題をこんな検証ができるかどうかも危うい。1強による統治機構の劣化は深刻だと思う。2018/09/29