内容説明
平安末期に始まる内乱の時代の経験は、いくつもの「いくさ物語」となって語られていった。そこでは英雄が華々しく活躍し、合戦が生き生きと描かれる一方で、敗者や女たちの悲痛な姿が胸を打つ。『保元物語』『平治物語』『平家物語』『承久記』の代表的四作品を縦横に行き来しながら、そこに時代の刻印を受けた文学の誕生を読み取っていく。
目次
序章 いくさ物語の読まれ方
第1章 力を渇望した時代―いくさ物語の背景
第2章 戦いの面白さを語る―勝敗劇への関心
第3章 いくさは何をもたらしたか―結果への視線
第4章 物語の生まれるところ―異次元の世界へ誘う技法
第5章 求められたものは―戦争の体験から
第6章 いくさ物語の強さ―時代を超えて
著者等紹介
日下力[クサカツトム]
1945年新潟県佐渡生まれ。1971年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学)。専攻は中世軍記文学。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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