感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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再読。いい。とてもいい。読み返してみたらより一層その気持ちが強くなる。『荒地』派でありながら、『荒地』的なもの(戦後の実存的不安、「詩句の成熟よりもヒステリックな叫び」)とはやはりズレた位置から書き始められているように思う。戦後詩のメインストリームとでもいうべき『荒地』派の初期メンバーにも関わらず、マイナー・ポエットという独自の位置にいた詩人であったと思う。恐らく、それは彼が東京ではなくて、地方で詩を書き続けたことも理由の一つかもしれない。2021/10/14
岡部淳太郎
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地味だけどわりと好きな詩人。他の「荒地」の人たちとはちょっと違う感触がする。
刻青
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仲間内にも容赦のない批評眼、当時の詩壇、世界そのものへの反発、戦争、そして死‥ およそ明るい要素はほとんどなかったであろう、共同体「荒地」。その中の一人、とされている。なんとなく、正直にいうと、この人にそこまでの才能はないような気がする。普通。しかし、荒地の強烈な個性の中で、その正直な眼は一種の暗い熱を帯び、詩のしてのレベルを高いものにしている。正直な言葉。そんな印象を受けた。優しい詩。荒地の詩人たちもどこかで救われていたのではないだろうか?「あるときひとり静かにすわって なにも産まないことを誇れ」2021/07/04