内容説明
本書は、17世紀における知的変革の基礎構造を、中世の閉じた階層的世界像から、近代の無限にして一様な宇宙像への移行としてとらえ、その移行過程を15世紀中葉のクサのニコラウスから、18世紀初葉のクラーク、ライプニッツ間の論争にいたるまで、一次資料そのものを豊富に用いて詳細に論じている。17世紀思想史研究に重要な貢献をなした注目の書である。
目次
1 天空と天界―クサのニコラウスとマルケルス・パリンゲニウス
2 新天文学と新形而上学―N.コペルニクス、Th.ディゲス、G.ブルーノ、W.ギルバート
3 新形而上学に対立する新天文学―ヨハンネス・ケプラーによる無限の排斥
4 以前には見られなかった諸物と以前には考えられなかった諸思想―ガリレオとデカルト
5 無際限な延長か無限な空間か―デカルトとヘンリー・モア
6 神と空間、精神と物質―ヘンリー・モア
7 絶対空間、絶対時間とそれらの神に対する関係―マルブランシュ、ニュートン、ベントリー
8 空間の神格化―ジョゼフ・ラフソン
9 神と世界―アイザック・ニュートン
10 絶対空間と絶対時間―バークリーとニュートン
11 就業日の神と休息日の神―ニュートンとライプニッツ