東洋文庫<br> 長崎海軍伝習所の日々

東洋文庫
長崎海軍伝習所の日々

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582800265
  • NDC分類 291
  • Cコード C0121

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

本の蟲

9
明治の大変革以降、日本を訪れ、滞在し、記録した外国人は大勢いる。しかし本作は鎖国が破られ、さりとて幕末の動乱前という微妙な時期の記録。黒船来航に動揺した幕府が頼ったのは、唯一貿易していた西洋国であり、かねてから開国を促してくれていたオランダ。幕府海軍創立と近代教育のために開かれた長崎海軍伝習所の、第二次派遣教官カッテンディーケが著者である。彼が語った日本と日本人の欠点や美点。予測する今後の困難。練習航行のため、あちこちの藩に訪れており、中央集権ではない幕藩体制の現実とほころびが見えて、大変興味深かった(続2022/01/04

8
幕末(1857年)に長崎の海軍伝習所にオランダからの第二期教育班班長として滞在したカッテンディーケ氏の日記をまとめたもの。日本人の良い面も悪い面も見たままを率直に書かれている感じで、かなり好意的。当時の日本の文化がわかって面白かった。 この当時はまだほとんど無名だった勝麟太郎(海舟)への評価が高くて、読んでて嬉しくなった。2016/06/03

きさらぎ

7
幕府が海軍設立を目指し長崎に設けた海軍伝習所に教官として招かれたカッティンディーケの手記。当時の風俗も興味深いが、勝海舟や榎本武揚、島津斉彬、鍋島直正、黒田長溥ら藩主たちの観察が面白い。斉彬は44歳にしては老けており、人懐こく、家臣を従え次々に質問してくる。直正は無愛想で筆者は一旦は気分を害したが、直正はそれを聞き態度を改めた。長溥は打ち解けた態度で、福岡での滞在も自由なものであった。勝は「穏やかで明朗で親切だが、その実非常に怜悧で、どうすればオランダ人が満足するかをすぐに見抜いて行動していた」そうな。2018/02/04

isao_key

4
著者は第二次オランダ海軍教育班の班長として、長崎に設けた海軍伝習所に安政四年(1857)九月から同六年11月まで滞在。講義や実地訓練を熱心に指導し、日本海軍の発展に大いに寄与した人物である。この日記には、日々の記述や日本、日本人についての所感が書かれている。親日家でもあり、鋭い洞察力を備えた記述は、当時の日本を知る一級の資料である。例えば、太夫(遊女)をヨーロッパの売春婦と比較し、太夫は市民から賤しまれるよりは同情を受けており、社会の除け者扱いを受けていないという。日本人は奢侈贅沢に執着心を持たないとも。2014/10/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/334233
  • ご注意事項