中公新書<br> クーデターの政治学―政治の天才の国タイ

中公新書
クーデターの政治学―政治の天才の国タイ

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011497
  • NDC分類 312.237
  • Cコード C1231

内容説明

第三世界にしばしばみられる民政と軍政の変遷、クーデターによる軍部独裁を西欧の政治基準で評価して事足りるのか。開発途上国の政治分析には実情に即した柔軟な判断が必要なのではないか。かねてこのような疑問を抱いていた著者は、タイ在勤期間中に見聞した民主政、クーデターによる軍政、民政復帰の実情から、民主主義の意味、政治におけるチェック・アンド・バランス等を考察する。現実観察から生れたもうひとつの政治学。

目次

序章 開発途上国における民政と軍政
第1章 タイのクーデターの歴史
第2章 チャチャイ政権
第3章 一九九一年のクーデター
第4章 アナン内閣の成立
第5章 対米、対日関係
第6章 知識人、学生の動き
第7章 政党の動き
第8章 新憲法の制定
第9章 アナン内閣の業績
第10章 五月の大騒擾
第11章 タイにとって良い政治とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Haruka Fukuhara

4
ざっと。ざっくり言うと、「語弊はあるだろうがタイにはクーデターが合っていると言いたい」といったことが書かれている。たしかにタイのクーデターって日本の戦前の鬱々とした色彩で語られるクーデター(5.15事件、2.26事件など)とはちょっと違う感じがする。国王が亡くなってその後どうなってるんだろう。2017/03/24

茶幸才斎

3
タイ王国。軍による91年2月の反チャチャイ政権クーデターから、スチンダー首相就任への反発に端を発する92年の5月流血事件までを解説。同国にとって民政と軍政のどちらが良いかは関係ない。国と国民の安全と繁栄を保証できるのが良い政権であり、そのためのチェック・アンド・バランスが、国王、政府、軍の間でうまく機能している。議会制民主主義が何も決められない手詰まり状態に陥ろうとも、日本に軍事政権という選択肢はない。それに代わるチェック・アンド・バランスの健全な発現を、自民・民主の二大政党制に期待したはずなのだが。。。2012/05/31

kid_luckystrike

2
タイについて一般常識以上の歴史・国の概要の知識がないと到底読み解けない類の書籍。「政治」「クーデター」を論考する、というよりは徹底的にタイについて考える為の本。あまり需要がなさそう。2008/05/31

Degawa

1
天才と言うのは抵抗があるが。91年のクーデターの話なので、背景が古いが、クーデター前後の動きは似ている。一番違うのは、91年のクーデターのときには全然出てこなかった地方の農民が一方の主役となっているところ。タクシン以前とタクシン以後で、バンコクのエリートの内輪争いが、中央と地方の戦いになったのだなと言うことがわかる。2014/06/10

可兒

1
タイのクーデターは近代国家において恐らく群を抜く数を誇っている。しかし、軍も含めて政府の権力分立をなしていると考えれば、そんなにおかしいことではないかもしれない。興味深いのだが、この本だけに関して言えばタイに関する予備知識がいくらか必要2013/08/09

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