中公新書<br> マキァヴェリ―誤解された人と思想

中公新書
マキァヴェリ―誤解された人と思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 209p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121008664
  • NDC分類 289

内容説明

マキァヴェリほどその生涯に謎があり、その思想が後世ひとり歩きした異才も少ない。なぜ突如としてフィレンツェ市政庁の書記長に選ばれたのか。目的のためには手段を選ばないマキァヴェリズムの創始者といわれるが、その評価ははたして正しいのか。マキァヴェリの実像は14―16世紀のルネサンスを経たイタリア・フィレンツェ共和国の政治史の中で捉えてこそ初めて浮彫りにすることができる。本書はその試みである。

目次

第1章 時代背景(ルネサンス時代;花の都・フィレンツェ政治史)
第2章 マキァヴェリ登場(書記局に入るまで;悪の華・ボルジア家;嫌悪と称讃・フランス王国とフランス人)
第3章 失意の都落ち(『君主論』;『フィレンツェ史』)
第4章 失望と死(優柔不断・クレメンテ7世;サッコ・ディ・ローマ)
第5章 その後のマキァヴェリ(悪魔にされたマキァヴェリ イギリス;中傷の合言葉 フランス)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュンジュン

4
コンパクトにマキャヴェリとその時代がまとめられている。ただ気になった点が一点。学生時代の記憶が正しければ(西洋政治思想史で担当教官が言っていたのだが)「マキャベリは決してイタリアの統一を考えていたのではなく、あくまで祖国フィレンツェの存続を念頭に置いて君主論を著した」と。本書では"統一イタリアを夢みながら"などのフレーズが散見される。どちらが正しいのだろう?2019/04/24

Terry Knoll

2
マキァヴェリが生きた時代を解説してあります。 公職を追放されなければ「君主論」など書かれなかった。 後年マキァヴェリズムは目的のためならば、手段を選ばない極悪非道な手法と言われるようになったのは、「君主論」がすぐれていた時の為政者達に脅威を与えたからでしょうか? 「君主論」への入門書です。 2014/03/02

しんすけ

0
マルクスがマルキストでなかったように、マキァヴェリはマキァヴェリストではなかった。マキァヴェリはフィレンツェ存亡のためにチェーザレ・ボルジアを利用しようとした。チェーザレ・ボルジアは自己の保身のためには邪魔者を躊躇無く毒殺する男であった。それを知る者には、マキァヴェリの行動は権謀術数のように観える。しかし、マキァヴェリが目標としたのはフィレンツェ社会の安定であり、それはイタリアの統一に繋がるものであった。『君主論』は、チェーザレ・ボルジアに仮託しながら書かれた民主主義を希求する作品であった。2015/12/04

うえ

0
時代背景を丁寧すぎるくらいに述べる本。著者は史学者。マキャベリが出るまで時間がかかる。2013/04/29

sk

0
史実が細かく書かれていて勉強になった。だがマキャベリの思想についての記述は薄い。2012/12/19

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